エキスパートという幻想

Winny流出関係で何か書こうかと思いましたが,その話題のコラムを読んでるうちにネガティブな感情を抱いてしまったのでまた今度.熱くなってるときに書いてもロクな文章になりません.

と,いいつつそのコラムを使用してひとつ書いてみる:p

少なくとも私が知る範囲では、コンピュータのエキスパートでなく、市販のパッケージソフトや周辺機器類を多く買い込み、パソコンを使いこなしたつもりになっている人の方に Winny ユーザが多いような印象がある。とはいえ、これはあくまで偏見かもしれない。

・・・(中略)・・・

とはいえ、私はそこで Winny というソフトウェアじたいの進歩が停滞することをよしとしない。しかし、心配する必要はないだろう。なぜなら、法で一般の所持が規制されている銃刀類だって、きちんと産業が成立し、イノベーションが進んでいるのだから。特定の資格と能力とを持つ研究者にとって Winny が持つ仕組みや機能はいまだ魅力的であるはずだ。

でもやはり、本来そうしたプロフェッショナル・ユースに供されるべきものが市井に出回ることには多くの危険が伴うという認識を新たにすべきだろう。

http://www.dmtj.net/pm/archives/2006/03/winny.php

上記のエントリで最も引っかかった部分は,必要以上にエキスパートという存在を強調している点です.確かに,ウィルス対策ソフトやファイアウォールも導入せずにWinnyを使用し,どんなファイルでもとりあえずクリックしてみるような人に比べればマシですが,それ以外でエキスパート非エキスパートにどれ程の差があるのかは疑問が残ります.

実際,こういった話は,日常的にも耳にする機会が多々あります.ただ,私個人の実感としては,自分の研究領域以外のことに関しては,(知識的にも取れる対策的にも)ごく普通の人と何ら変わりがないということです.エキスパートという言葉に惑わされて,「自分は大丈夫」という幻想を抱かないように気をつけていきたいものです.