財務省による財政の長期試算が新聞に載っていたそうで.せっかくなので,今日は財政に関わるお話.新聞に挙げられているような事態に気づいている人は,当たり前ですが大勢います.
税収を倍増すると、どうなるか。仮に消費税率の上昇で補うことにしましょう。現在、消費税は歳入の12%を占めています。公債収入は42%です。合計54%を消費税で賄うには単純計算で税率を22.5%とする必要があります。
支出を半分に減らすと、どうなるか。国債を償還できなければ、それは破産を意味します。そこで18兆円は予約済。残りは23兆円。国家財政の危機ということで地方交付税交付金も半分を国債償還に当てたとして、8兆円の支出。残りは15兆円。公共事業は全部やめましょう。自衛隊も解散する。65歳になったら死んでもらう。これでようやく帳尻が合います。めでたし、めでたし。
なぜ、郵政公社を民営化するべきなのか?
現状では,歳出削減だけではもはやどうにもならず増税は不可避であると言えます.ただ,この時に最大の障害となって立ちはだかるのが,それを払う側(国民)の反発です.先の備忘録: なぜ、郵政公社を民営化すべきなのか?やSimple: 身勝手で馬鹿なのは国民の方では,国民のその反発を批判的に記述しています.
27年前の1978年、大平内閣は早期の消費税導入による財政強化を図りましたが、総選挙に大敗し撤回を余儀なくされました。
・・・(中略)・・・
1997年、橋本内閣は消費税率を5%に上げます。景気に配慮し所得減税や法人税減税を同時に行いましたが、翌1998年の第18回参議院議員通常選挙で自民党は再び記録的な大敗を喫します。
ようするに、国民はいつだって馬鹿で身勝手でした。国民の脅迫は常に本気だったから、もうこれ以上引き伸ばせないというギリギリの段階でようやく議員さんらは決断し、増税してきました。そのたびに国民はブチ切れ、増税を決定した政治家を次々と地獄の釜に放り込んできたのです。これが成熟社会に突入して以降30年間の政治状況です。
なぜ、郵政公社を民営化するべきなのか?
さて,それでは日本の財政の現状をきちんと説明し増税の必要性を訴えれば,国民は本当に分かってくれるのでしょうか.個人的には,それは無理ではないかなと感じています.私の周りの話ですが,``政治家が自分の保身のための費用をなくせば良い''といった類の主張をする人は今でもそれなりの頻度で見かけます.どれだけ説明したとしても,そういった人達にとっては``けっ、俺は騙されないゾ''という思いを再確認するだけでしょう.
それでは,結局どうすれば良いのでしょうか.個人的には,``政府が強行する''以外に道はないのかなと思っています.増税を強行して``馬鹿な国民''の集中砲火を一身に受け,そして潰れていくしかないかなと.悲しいですが,``馬鹿な国民''の相手も政治家の仕事になるのでしょう.
願わくば,志半ばで潰れないことを.