善悪と法律

法律違反に関して,少し面白い指摘がありましたので紹介.

このように,「Aをした場合にはBという不利益を課す」という条件節になっている。換言すると,「Bという不利益と引き替えにするならばAをしても良い」というように読むことも可能。

・・・(中略)・・・

法律は,社会を構成する大多数の人が〈好ましい〉と思っているであろう価値判断を反映させているだけの代物。価値判断は法律の背後にあるのです(背景事情を探るときに「立法者意思」というものが見え隠れする)。例えば,銃を所持することが〈正しい〉のかどうかは分かりません。日本では認められていないけれど,米国には憲法修正第2条があって武器を保有することが人権とされていたりする。

http://d.hatena.ne.jp/genesis/20060708/p2

法律とは,その社会に属している多くの人にとって,起こって欲しくないと思われている事例をそれを起こした人に対してペナルティを課すことによって抑制する,というものです.これは言い換えると,そのペナルティを受ける覚悟があるのならば,その行動を行っても良いという事になります.

いわゆる“道徳的な善悪”と“法律を守る/破る”ことの間には若干のズレがあります.そう言った意味で私は,“法律を破ること”と“悪”は関係ないと思っています(関係ないは言い過ぎかもしれませんが).しかしながら,私がどう思っているかには関係なく,道徳と同様,社会一般的には法律を破ることは“悪”であると定義されているようです.

あく【悪】
(1)わるいこと。否定すべき物事。道徳・法律などに背く行動や考え。⇔善

大辞林 第二版 (三省堂))

“道徳的な善悪”と“法律を守る/破ること”は必ずしも同じであるとは限りません.しかしながら,現在の社会では法律を破ることは悪と定義されています.そのため,現在の社会では,法律違反は悪いことです(それが良いか悪いかはまた別の問題).