高校生向けの月刊紙「高校生新聞」(東京)が行ったモラルや人生観に関するアンケート調査で、高校生の5割は友人との飲酒や、電車内での携帯電話使用を容認していることが14日、分かった。同紙編集部は「教師や親など身近な大人の行動の影響が大きいと推測される。手本となるしっかりした大人が減っている表れでは」と分析している。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060914-00000008-jij-soci
モラルの低下を嘆いた編集部員が仕事を終えた後,60km速度制限の公道を80kmのスピードを出して帰宅する.中学生は,“ここから先は未成年の方は閲覧できません.あなたは18歳以上ですか?”との問いに迷わず“はい”と答える.国は,憲法を犯して軍事力を保持している(なんて例を書くと,偉い人に怒られそうなので思ってても書きません.今書きました.ゴメンナサイゴメンナサイ).
さて,これらは全てモラルの低下がもたらしたものなのでしょうか.なるほど,確かにモラルは低下しているかもしれません.武士道の心などは,既にかけらも残っていません.有史以来モラルは低下し続け,既にゼロを超えてマイナスなんじゃね?と思ったりします.
ただ,原因はそれだけではないようにも思えます.
法律は常に不完全に執行されます。死刑囚がちっとも死刑執行されないのだって、本当は法律違反だけど、「絶対に法律を守れ」という人は多くない。ではそのような人は、法律の曖昧な運用について批判する資格を持たないのか。そうではないだろう、と。なぜ、そうではないのか? これは難しい問いだが、ようするに、多数派がそれでいいといっているんだ、と答えれば話はスッキリする。
・・・(中略)・・・
何が野暮で、何が野暮でないか、それが問題なのです。
一貫性を他者にばかり求めても
電車内での携帯電話の使用は,年齢に関わらず“特に問題ない”と考える人も多数存在します(それ故,しばしば議論になる).この辺は価値観の違いによるものが大きいので,モラルなどの尺度で測ることは困難です.飲酒に関しても,18歳で飲んでも良い国もあるのだから別にいいじゃないか,と思う人もいたりして議論の決着が付かなかったりもします.
こういった問題に関しては,決着が付かないから保留,という訳にもいかないので法律なりガイドラインなりが一応は策定され,それらを守るように促されます.しかしながら,そういった規則は“策定したのだから,例外なく皆守れ!”というのもなかなか難しいので,各人が状況を見つつ判断していくことになります.
赤信号だって一旦とまって左右確認して安全だと分かれば渡っても良いでしょう。しかし、信号「無視」はいけません。ルールを破るにもルールがあるのです。
ルールを破る時のルール - 職業としてのプログラミング
私は,原則として法律は守るべきだと思っています.悪法だからといって,“法を破る”という手段で対抗するのは良い手段ではなく,きちんとした場で議論して改正していくべきだと思います.それでも,“野暮な事言うなよ”と思う事が多いことも事実です.