「いずれ結婚するつもり」と答えている人が男女とも約9割にのぼり結婚願望は強いのに、実際に恋人がいる人は少なく、未婚化や出生率低下の一因となっているようだ。
http://www.asahi.com/life/update/0922/014.html
最近,こういう話題が良く目に止まります.私も随分とまともになってきたな,とか変なことを考えたりします.
近年,結婚する気のない人がかなり増加しているとしばしば記事になりますが,それに反してほとんどの人は“いずれ結婚する”と考えているような気がします.私は,中学時代から特に結婚する気はないと言ってきたのですが,ほぼ例外なく奇異な目で見られてきました*1.結婚する気のない人が取り上げられるのも,かなり大多数の人の中で“いずれ結婚する”という前提でコンセンサスが取れているからなのでしょう.
“恋愛の発展としての結婚”以外の結婚が必要なのかもしれない
それにしても,カップリングされてる率が3割程度というのは少し驚きました.周りを見ている限り,半分位はカップリングされているような感覚でいたのですが.
以前にも書きましたが,現在の日本の社会では,結婚せずに子どもを持つことは社会的規範として認められていません.社会的には,各人が結婚するかどうかはあまり問題ではないのですが,出生率が下がってしまうといろいろと困ったことになるので,現在の状況では社会的にも結婚して(子どもを産んで)もらう必要があります.
重要なのは、戦前は「恋愛」と「結婚」が分離していた点である。戦後この二つは結合してしまった。これを山田は「恋愛結婚イデオロギー」と呼ぶ。
- 結婚するには恋愛感情が必要
- 結婚を考えない恋愛は遊びであり不真面目である
- 恋愛したら結婚するのが当然だ
と考える思想、イデオロギーのことである。このイデオロギーは今も私たちに深く根付いている。「別に何とも思ってないけど、経済的にメリットがあるから、あの人と結婚するわ」なんて発言する人は、まちがいなく非難される。反動として、大量の「お見合い結婚」コンプレックスを抱く人が増えてしまった。「出会いは見合いだったけど、そのあとちゃんと恋愛して結婚したんだもんっ!」と訴える人もいる。
http://simple-u.jp/pd200309.html#2003-09-15
現在では,“結婚は恋愛の発展形”という認識が人々の中に深く根付いています.それはそれで結構だと思うのですが,先の記事の統計結果を見る限り,その形の結婚しか存在しない,という状況は危険です.実際,結婚する割合が低下した原因の一つに,上記以外の結婚が廃れてしまったから(家を継いでいくため,etc)ということが考えられます.
結婚の割合を低下させないためには,結婚しやすい社会制度(子どもを産みやすい社会制度)を整えることも重要ですが,一度,恋愛と結婚を切り離して結婚の意義やメリット,デメリットを整理することも必要なのではないかな,と思います.
“友人としての異性”は存在し得るのか
最後に少し別の話題.統計結果を見て,もう一つ興味深かったのが“友人として交際している異性がいる”という項目.“友人としての異性”が存在し得るのかどうかについてはしばしば論争になる話の種の一つです.
つまり、「男女間で友情は成立しない」と思っているAは「友情」という選択肢がないためにいつまで経っても「男女間で友情は成立しない」状況にいるわけです。年を経るにつれて、そういうひとはますます「男女間で友情は成立しない」という思いを強くする一方でしょう。
http://d.hatena.ne.jp/wetfootdog/20060901/p1
“頭の中にそもそもその選択肢がない”という状況はしばしば存在します(e.g., 結婚せずに子どもを産む,etc).私は,“友人としての異性”は成立し得ると思っていますが,それはその選択肢が私の中にあるからなのでしょう.
それで,そういった観点で先の統計結果を見ると,“友人としての異性”という選択肢を持っている人はかなり少ないのかな,と思ったりしました.
*1:最も記憶に残っているのは,中学時代の家庭科の授業中の話.人生設計という授業で,“何歳で何をする”みたいな事を80歳位まで書かされたのですが,その用紙に“配偶者”という欄がありまして.それで,私はおもむろにその欄に大きく×印をつけた所,周りで見てた友人が,ざわっ・・・ざわざわっ・・・と.まぁ,そんな事する私も私ですがw