知らない分野を例に挙げて、適当な事を言わない方が良い

自戒の意味も含めて。

先日、全体としては良い事を言ってると思うのですが、不用意に「売ったら終わりというメーカー的な発想」と言う言葉を使っているため(一部で)批判されていると言う事例を見かけました。

あくまでもサービスであって、誰かに対して提供をし続けるわけです。我々のような業態の企業は、売ったら終わりというメーカー的な発想ではなく、サービス業の発想も持ち合わせるべきだと思います。

http://paperboy-ceo.jugem.jp/?eid=12

上記の執筆者が実際にどう思っているのかは分かりませんが、ある分野に精通・精進している人ほど、その他の分野の事を軽視する傾向が見られます。例えば、IT 業界だと営業職と技術者の対立(Web 上ではスーツとギークの対立などと言われたりもする)が問題になったりしますが、こう言った事例も共に相手の分野を軽視しがちになるが故に発生する摩擦なのだろうと感じます。

第三は、とくに重要なこととして、無知の元凶ともいうべき知的な傲慢を正すことである。多くの人たち、とくに一芸に秀でた人たちが、他の分野を馬鹿にする。他の知識などなくても十分だと思っている。

ところが、フィードバック分析は、仕事の失敗が、しばしば知っているべきことを知らなかったためであったり、専門以外の知識を軽視していたためであったことを明らかにする。

一流の技術者というものは、人間について、むしろ何も知らないことを自慢したがるところがある。彼らの目からみれば、人間はあまりにも不合理な存在である。同じように、会計士も、人間を知る必要はないと考えがちである。逆に、人事の人間は、会計や定量的な手法を知らないことを鼻にかける。

海外拠点の責任者となった者は、経営に優れてさえいれば、活動の舞台となった国の歴史、伝統、文化、芸術を学ぶ必要はないと考える。まさにそのために、せっかくの経営能力をもってしても、いかなる成果も上げられない。

したがって、知的な傲慢を改め、自らの強みを十分に発揮するうえで必要な技能と知識を身につけていなかければならない。

明日を支配するもの―21世紀のマネジメント革命(p.196--197)

自分自身を例に取っても、自分とは異なる分野の人とミーティング等を行った際に「こいつ適当な事を言いやがって!」と感じる事が多々あります。それらの事例の半分くらいは、実際に「やっぱり適当な事を言ってやがった!」と言うオチもあったりするのですが、もう半分は自分の理解の浅さが原因だったりもします。

実際問題として、そう言った事(他分野の軽視)を意識レベルまで排除するのはなかなか難しいので、せめて口に出す際には、知らない分野を例に挙げて適当な事を言わないようにしないとなぁと思いました。