先日、自分のサイト (SoGap) 経由で はてなブックマークの集客効果はゼロに等しい と言う記事を見かけました。記事自体は 2008 年のものと随分古いので(当時と現在とでは状況もいろいろ異なっており)あまりどうこう言うつもりはないのですが、この記事に限らず自分の Web サイトのアクセス解析(参照元ドメイン)を根拠にして集客効果等を主張されているものをたまに見かけます。覚えている限りだと、組織的なブックマークスパム(所謂「3get 作戦」)を疑われた人が釈明をする際にも「はてなブックマークドメインからの流入は微々たるものだから、そこまでしてやる必要はない(だから、そんな事はやっていない)」と言った論法が使用されていたように思います。
ただ、アクセス解析の参照元データは、自サイトに関するアクセスの傾向を把握するのには役立つ時もありますが、何らかの主張をする際の根拠として利用できるほどの信頼性のあるデータではないように思います。例えば、下記は、このブログの昨日一日のアクセス状況(Google Analytics によるもの)なのですが、昨日投稿した 若年層の投票率に関する雑感 - Life like a clown と言う記事が 1,273PV となっています。
一方で、下記の画像は同日の参照元ドメインに関するデータです。
これを見ると、該当記事のはてなブックマークからの流入は 25% 程度でしかないと言う事になります。しかし、昨日、あの記事にアクセスが集まったのははてなブックマーク(と Twitter で少し)で話題になったからである事ははっきりとしており、どう考えてもあの記事のアクセス(流入元)の多くははてなブックマークに関連するものであるはずです。
アクセス解析の参照元の数値は恐らくリファラの値を元にしたものが多いと予想されるので、アクセスしてきたユーザの設定(あるいは使用しているアプリケーション)によっては実際の流入元が取得できない場合もあります。はてなブックマークで話題になると、上記の画像で言う「(direct) / (none)」の値がいつもよりもかなり多くなるのもそのためだろうと思います。
それ以外だと、個人的な経験則から言うと(Twitter に関しては、Twitter 連携機能があるので言わずもがな、と言うところですが)、はてなブックマークで話題になると該当記事に Google Reader や livedoor Reader 経由でのアクセスが多くなる傾向があります。はてなブックマークは様々な RSS フィードを提供しているので、恐らくその関係でしょう。また、Google は記事の新しさや反響?等を見ているようで、比較的最近に投稿した記事がすぐにはてなブックマークで話題になると Google 検索経由のアクセスも増加する傾向にあります。このように、直接はてなブックマークドメインからアクセスがある訳ではないが明らかにはてなブックマークの影響によるアクセスと言うものは多々存在します。
こう言った様々な要因が関係するため、特定ドメインからの集客効果と言った類の話をする際には、アクセス解析の参照元の数値は参考資料の一つにはなるでしょうが「根拠」として提示する数値としては説得力が弱いかなぁと思います。