お金よりも大切なもの

日銀などでつくる金融広報中央委員会が17日発表した「子どものくらしとお金に関する調査」で、「お金よりも大事なものがあるか」との問いに小中高校生の約8割が「そう思う」と答えた。「勝ち組」「ヒルズ族」などと、成功者がもてはやされる風潮が広まるが、同委は「子供の金銭意識は予想以上に堅実だ」と分析している。

お金よりも大事なもの、8割が「ある」

何となくひっかかっている記事です.私の中にも,“お金よりも大事なものがあると考えることは良いことのような気がする”という気持ちが漠然とは存在しているのですが,果たしてそれは正しいのか・・・

「ヒトは、生物としての当然の性から自己中心的で怠け者で、仕事に励むのは、金銭欲や名誉欲や権勢欲に駆られるからだ。だから人社会を制御するなら、そういう欲望を制御すればいい」 これが現実主義の考え方で、確かに一面の真理をついている。政治や経済の世界は、専らこういう考え方で動いているのだろう。

他方でヒトには、なぜだか分からないが、こういう生物本来の性や欲望を醜いものと感じ、それとは異なって美しいと感ぜられるものを追求したいという心も備わっている。芸術・宗教などの世界では、こういう理想主義的の心の働きが大きいのだろう(「ヒューマニズム」参照)。

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“お金よりも大事なものがある(はず)”という考えは,おそらく後者の意識からくるものだと思います(そう考えると,“お金よりも大事なものがある”=“金銭意識が堅実”とは言えない.むしろ,逆の可能性がある).ある程度,理想主義的な考えを持っていた方が良いとは思うのですが・・・やはり,結論が出ません.

上記の記事に関しては,次のような意見もありました.

「お金より大切なものなどない」などとしたり顔でいうやつもどうかとは思うけど、反対に「お金より大切なものがある」などと述べたて、そう思わない者を拝金主義呼ばわりする連中だって、もっと恥じらいというか、慎しみを持つべきだ。そういうひとたちが「お金より大切なものがある」と言い張れるほどに衣食足りていることはよくわかるが、「うちはお金よりも大切なものがあることを認識できるほどのお金持ちなんだよ!!」みたいなことをいちいち大声で主張してまわらないで欲しい。

http://d.hatena.ne.jp/kkentaro/20060517/1147882700

確かにお金に関する意識については,上記のような側面もあるように感じます.ホリエモンが金!金!言っていたのは,“上(大企業など?)と戦うには,自分には十分な資金がなかった(だから,何としても集めたかった)”のも一因です.その一方で,フジテレビや経団連の会長などが“金が全てではない”と言えるのは,既にそれなりに十分な資金を持っているからとも考えられます.そう考えると,“お金より大事なものがある”と答えられる人は,それなりに幸せなのかもしれません.

何らかの結論に達したら,また書いてみたい話題ではあります.