CubeVP および CubePDF SDK 8.5.0

CubeVP 概要

CubeVP 8.5.0 (ダウンロード用ページ) および CubePDF SDK 8.5.0 をリリースしました。更新内容は下記の通りです。尚、8.7.0 以降の更新内容は本記事の最後に記載されています。

ARM64 版 Windows に対応

CubeVP 8.5.0 では、ARM64 版 Windows に対応したインストーラーを公開しました。Windows には、旧来からの x86/x64 版に加えて ARM64 版と呼ばれるものが存在していますが、CubeVP は仮想プリンターと言う形態の都合上、これまでのバージョンでは ARM64 版 Windows で(x86 エミュレーション機能を通じて)利用する事ができませんでした。しかし、今回新たに公開した ARM64 版 CubeVP を使用する事で、Microsoft Surface Pro X 等の ARM64 版 Windows を採用している PC や、M1/M2 Mac の Parallels Desktop 上で動作する Windows にも仮想プリンターが追加可能となりました。

尚、アプリケーション部分については利用ライブラリの都合等もあり、現時点では ARM64 ネイティブなものをビルドまたは利用する事はできません。ご不便をおかけしますが、x86/x64 版のどちらかをご利用頂くようお願いします。

ARM64 版 CubeVP をインストールする際の注意点

ARM64 版 CubeVP の動作可能環境は x86/x64 版と異なりますので、インストールする前に一度、下記の注意事項をよく確認して下さい。

まず、ARM64 版 CubeVP を利用するにあたっては ARM64 版の .NET 6.0 デスクトップ・ランタイムが必要となります。お手数をおかけしますが、CubeVP をインストールする前に、必ず下記に記載した .NET 6.0 デスクトップ・ランタイムをインストールして下さい。

必要な .NET 6.0 デスクトップ・ランタイムがインストールされていない場合、下記のようなエラーが表示されます。この場合、.NET 6.0 デスクトップ・ランタイムのインストール後に再度 CubeVP のインストールを試みて下さい。

.NET 6.0 デスクトップ・ランタイム未インストール時のエラー画面

次に、ARM64 版の専用 CubeVP インストーラーをダウンロードして実行して下さい。尚、CubeVP を始め、Cube シリーズでは Web ページにアクセスしてきた情報を基にして x86/x64 の自動判別を行っていましたが、ARM64 版に関しては機能しない事が予想されます。ダウンロードされたインストーラーのファイル名に arm64 の文字が含まれない場合、そのインストーラーでは ARM64 版 Windows にインストールする事ができません。その際には、恐れ入りますが下記のリンクから再度ダウンロードをお願いします。

尚、何らかの不具合が発生した時は、C:\ProgramData\CubeSoft\CubeVP\Log フォルダにある実行ログを添付して support@cube-soft.jp までご連絡下さい。

CubePDF SDK の更新に関する注意点

CubePDF SDK を CubePDF 3.3.0 相当のものに更新しました。尚、主に旧バージョンの CubePDF SDK を利用しているプロジェクトを更新する際に、いくつか注意点がありますので、以下に記載いたします。

TargetFramework の変更

CubePDF SDK 8.0.0 以降、ライブラリの推奨環境も .NET Framework 4.7 以降に引き上げられました。この推奨環境は、プロジェクト設定においては *.csproj ファイルの TargetFramework の部分に影響が及びます。CubePDF SDK 8.5.0 においては .NET Framework 4.6.1 以降であれば問題なく動作するように修正が行われていますが、TargetFramework が net45 または net46 の場合、意図せぬ不具合が発生する可能性があります。そのため、これらの値が設定されている場合、net461 以降の値に変更頂くようお願いします。

設定内容の移行機能

CubePDF は、3.0.0 で設定内容に互換性のない変更が実施されました。この変更に対応するために、CubePDF SDK 8.5.0 には設定内容の移行機能が追加されています。これまで、SettingFolder.Load() メソッドを用いて設定内容を読み込んでいた場合、代わりに Migrate() 拡張メソッドを利用して下さい。例えば、CubePDF の設定内容をそのまま利用していた場合(CubePDF Lite の初期コードと同様の形)、ソースコードを下記のように書き換えます。

settings.Migrate(@"CubeSoft\CubePDF\v2");

尚、Migrate() 拡張メソッドは、移行すべき設定内容が見つからない場合には Load() メソッドと同様の処理を行います。

モジュールの分割

CubePDF SDK 8.5.0 では、依存関係を最小化するために、共有ライブラリにおいて実行ログの出力に関する機能を別モジュールに分割しました。そのため、実行ログを出力するには Cube.Logging.NLog パッケージを依存関係に追加する必要があります。既存の C# プロジェクトファイル (CubePdfLite.csproj 等) をそのまま利用する場合、下記の行を追加して下さい。

<PackageReference Include="Cube.Logging.NLog" Version="8.5.0" />

また、これに合わせて、ログの出力メソッドにも破壊的変更が行われています。サンプルコードをそのまま利用している場合、 InitLog メソッドを下記のように修正して下さい。

private static void InitLog(string[] args)
{
    Cube.Logger.Configure(new Cube.Logging.NLog.LoggerSource());
    Cube.Logger.Info(typeof(Program).Assembly);
    Cube.Logger.Info($"[ {string.Join(" ", args)} ]");
}

CubeVP 8.7.0 以降の更新

CubeVP 8.7.0 以降の更新内容は下記の通りです。CubeVP をご利用のユーザーは、ダウンロード用ページ より最新版インストーラーをダウンロード後、上書きインストールによる更新をお願いします。

8.7.0 (2024-03-29)

  • Arm64 版のファイル構成を変更
  • CubePDF SDK 8.7.0 へ更新