他人の振り見て我が振り直せ -- mixiチェーン日記から

mixi日記を介してウイルスが広まっている」――日本最大手のソーシャルネットワーキングサービス(SNS)「mixi」上で、こんな内容の日記が、6月19日夜から21日ごろにかけてチェーンメールのように広がった。不審な点の多い日記だったが、多くのユーザーが信じ込んで自分の日記にコピーしたり、メッセージで知り合いのユーザー(マイミク)に知らせるなどして急速に広まった。


ITmedia News:Web2.0時代の“脆弱性”――mixiチェーン日記はなぜ広まったか

mixi上で,ウィルスの注意を促す(デマの)日記が書かれ,その情報を信じて自分の日記にも書いてしまう人が続出したため,“チェーンメール的に”広まってしまったという事件があったようです.この事件に関しては,上の記事にも触れられているように“mixiには初心者ユーザが多く,「チェーンメールは転送してはいけない」という基本的なネットリテラシーを持たない人が多かった”という風評が強いようです.

確かに,問題の日記を見てみると“?”と思う箇所がいくつかあり,5年も10年もインターネットに接続して様々なトラブルに遭遇してきた人達ならばすぐに気づくようなネタなのかもしれません.ただ,だからといって“初心者ユーザの問題”と他人事のように言ってしまって良いものなのかな,と感じます.

例えば,具体的な文面はすぐには思いつきませんが,この当事者が外部blogなどでもう少しマシなデマの文章を書いたとします.この時,さらに例えば,はてなの流れを考えた場合,次のようなシナリオも十分考えられます.

  1. はてなブックマークにおいて,[mixi][これはひどい] まだその脆弱性潰してなかったのかよ.これだからmixiは・・・のようにブックマークされる.
  2. はてなブックマーク注目エントリに当該エントリが登場する.
  3. 1. と似たようなブックマークがどんどん増えていく.
  4. 当該エントリに関するblogエントリが多数出現する.
  5. mixiより,“そのような事実はありません”という発表があり,デマが発覚する.

この場合,はてブユーザとエントリを書いた人は,上記のmixiユーザと同様に(ブックマークしただけな人は微妙な所ではあるけれど)“チェーンメール的に”そのデマを広めてしまったことになります.果たして,このとき叫ばれる言葉は,リテラシーが欠けているなのでしょうか.それとも,(大元のデマを流した人に対して)悪質なエントリを書いてけしからんなのでしょうか.

実際のところ,(ネット界の)世論がどちらに傾くかは,ひっかかった人の多さや元のエントリの狡猾さなど様々な要因が絡んでくるので,恐らく一概には言えないと思います.そして,残念なことに,今回の事件では“mixiユーザのマヌケさ(リテラシーの低さ)”の方が際立ったのでしょう.

今回の事件に関しては,mixiユーザの失態ですので批判されるのも仕方のないことですし,別に私もmixiユーザを擁護しようとも思いません.ただ,“これだからmixiユーザは・・・”と他人事としてしか見ていない人は,もしかすると同種の危険性を持っているのではないのかな,と思いました.