「何でもできる」魔力

今日はまた Apple 一色だなぁ、という印象の一日。

iPhoneMac OS Xベースで、デザインがiPodと似ているが、楽曲再生、電話、テキストメッセージ、電子メール、ウェブ閲覧、写真撮影などの機能を備えている。操作はタッチ式のワイドスクリーンと1つのボタンで可能となっている。Appleでは同デバイスの米国出荷を6月に予定している。価格は、契約期間2年の場合で4Gバイトモデルが499ドル、8Gバイトモデルが599ドルとなる予定だ。

ついに発表--アップルの携帯端末「iPhone」とは

いろいろなところで書かれていますが、ついにと言った印象です。数年前、SONYが音楽再生機能付き携帯電話を発表したときに、

iPodてこれからどうなると思う?」
「そのうち絶対、通話機能とメール機能が付く」
「スタート地点は違ったけど、たどり着く先は同じなのなw」

と言った会話を友人としたことを思い出しました。少し形は違いましたが、これで携帯音楽プレーヤーの道と携帯電話の道が交差したようです。日本での展開がどうなるのかはまだ良く分かりませんが、今後それぞれがどう動いていくのか、楽しみではあります。

さて、こういった事例を見る度に「人は何でもできるということに弱いのだなぁ」と言う感想を抱きます。「何でもできる」代表格であるパソコンが、これほど世の中に浸透した一因も実はその辺りにあるのかな、と思ったりします。

ただ、このような風潮に漠然とした不安も覚えたりします。十数年前、私が初めてパソコンを買おうと思い立って知り合いに相談したときに「パソコンは何でもできるけど、目的がないと持てあますだけになるよ」と言われたことがありますが、これに似た状況に成りつつあるような気がします。パワーユーザは満足するけれども、それ以外の人は機能が把握できなくなって持て余す、と(どこかで聞いたな、と思ったらイノベーションのジレンマか。そのうち、「破壊的イノベーション」に相当する何かが出てくるのだろうか)。

もうひとつはコストの問題。PS3 などのゲーム機や(日本の)携帯電話など高機能(多機能)化の道を選んだ物の多くは、コストが高くなり採算が合わなくなるという問題にぶつかっています。特に、携帯電話などはバッテリの関係で寿命が短く(長くて 2 年くらいか?)頻繁に買い替えなければなりません。そのせいで、ユーザが一度に出せる額にもかなり制限がかかります。そのような分野で高機能(多機能)の道を選ぶのは、いつか限界が見えそうだな、という気もします。

iPhone に関しては、インターフェースの面などで興味はあります。PCユーザ(?)が携帯を積極的に使わない理由のひとつはインターフェースであると思うので、そのインターフェースに革新が起これば、携帯の市場にもまた変化が起こるだろうと思います。その意味でも、今後どのようになっていくのか楽しみではあります。