捨てる技術

「捨てる!」技術 (宝島社新書)

今日未明辺りから、あちこちで「めがねが燃えた」とか言う話が頻繁に目に入って来るようになりました。詳細はよく知らないのですが、今回は Web 上において「捨てる」と言う事について考えてみます。

「PV さえ稼げれば後は誰がどうなろうと知った事ではない」と言う人種

Web においては相変わらず PV が重要な指標として位置づけられています。そのため、今日も各所で PV を稼ぐための方法があれこれ試されています。その中には、閉鎖詐欺をして PV を稼いだり、1000ブクマ行ったらぼくの知る「市場から撤退すべき企業」を発表しますと言ってブクマを稼いだりと「PV さえ稼げれば後は誰がどうなろうと知った事ではない」と言う人種も一定数出現しています。

この類の人種については、「PV さえ稼げればいい」と言う目的で行動を起こしているので、最も効果的な方法は「無視すること」になります。しかし、一時期「スルー力」などと言う言葉とともに盛んに議論されましたが、無視できずに憤慨した人々による「宣伝活動」によってそれらの人々は今日も着々と PV を稼いでいるのが現実です。

取りあえず捨てよう

いつもおもうんだが嫌なら見るなって無理。読んでしまったそのときにはじめて嫌ってわかるんだから。どこに嫌なもの転がってるかわからん。

http://b.hatena.ne.jp/entry/http://www.misao.gr.jp/~koshian/?20071107S1

思いがけず遭遇してしまった「嫌なもの」を無かったものとしてスルーすると言う事を実戦するほど自分の感情をコントロールできる人と言うのはそこまで多くはありません。煽り記事をいったん読んでしまったら、はてなブックマークのコメントなり Twitter なり自分のブログなりで何か書いてしまうのは、まぁ仕方のない事だろうと考えています。ではどうするのか?

個人的には、現状では「また○○か」と言うコメントをいかになくすかと言う所から始めるのが良いのかなと言う気がしています。「また」と言う事は、そのコメントを書いた人は該当の情報を読む前に「不快な思いをするかもしれない」と言う事をある程度予測できているにも関わらず近寄ってしまい、「PV さえ稼げればいい」と言う人達にとって貴重な「リピータ」の存在になってしまっています。

この問題の対策方法としては、「取りあえずブロックする」と言う習慣をもっと広めていくことかなと思っています。具体的には、「不快だと思ったときにはいくらでも喧嘩しても反論記事を書いても良いから、最後に該当人物のブロックだけは忘れずに行う」と言う方針になります。不快な情報源に辿り着く際、その多くの場合はニュースサイトなどの第三者経由で辿り着く事になります。したがって、第三者からの(不快な人に関する)情報の流入を一度限りで止めてしまう事によって、上記の「また○○か」と言うコメントを減らそうと言う狙いです。

例えば、Twitterはてなブックマークなどのサービスではユーザのブロック/解除はボタン一つで簡単に行えるようになっており、実世界での「捨てる」行為に比べて「元に戻すこと」が容易になっています。その意味でも、あまり深く考えずに「不快な思いをしたら、(ひとしきり喧嘩した後)取りあえず最後にブロックしておく」と言う行為を習慣化しておくと、問題となる人達への「リピータを減少させる」と言う役割を少しは果たせそうです。

「もしかして」を考えすぎるのはやめよう

低い閾値でブロックする事に対する反論としてよく聞くものに「軽々とブロックしてしまうと、その人から得られるはずだった貴重な情報を逃すかもしれない」と言った類のものがあります。しかし、個人的には、これを考えすぎるのは良くないと考えています。

それが気に入らないつーか鼻について嫌な奴は、別に見に来なくてもいいよ。どうせ私が言う程度のことは、タイミングの前後はあろうと、同じようなエントリが書かれるんだから、無理に嫌な思いをしてまで見ることはない。もっと好きな人が書いた時にでも読めばいい。

「上から目線」の次は「ドヤ顔」か | おごちゃんの雑文

Web 上には膨大な情報が流れています。そのため、「その人からでないと得られない情報」と言うものはかなり稀なものになっています。

また、「もしかして」について本当に慎重に考えるのであれば、上記の側のみを検討するのでは不十分で「ブロックした事によって貴重な情報を逃す可能性」と「ブロックした事によって浮いた時間を使って別の貴重な情報を得られる可能性(要するに、ブロックしなかった事で無駄な時間を使ってしまう可能性)」を天秤にかけて判断する必要があります。先に述べた Web 上に存在する膨大な情報量を考えても、恐らく後者の可能性の方が高いでしょう。

実物の「モノ」を捨てるかどうかを判断するときに、「捨てるかどうか迷っているモノを自分が使っている姿を想像してみよう」と言う方法があります。Web においても、「自分がそのサイトを閲覧しているときにどのような気持ちを抱くか」を想像してみて、恐らく今後も不快感しか抱かないなら潔く捨ててしまう(ブロックしてしまう)のが良いのではないかなと思います。

おわりに

所謂「ブログの読者論」的な話だと、人のせいにするのはそろそろやめませんか?:Geekなぺーじ のように「煽り記事は無視だけして良質な記事だけを相手にするようにしよう」と言う啓蒙はたびたび目にしますが、(少なくとも自分の目からは)思ったような成果があげられていません。これは、「良質な記事のみを相手にする」と言うある意味理想的な振る舞いは、実戦するのは非常に難しいからだろうと感じています。なので、これよりも実戦しやすい方法として「イラッとしたら取りあえずブロック」を広めると良いのかなと思いました。

後は、「何書いてもいいけど該当記事へのリンクはしない」(参考: 本気でdisりたいのなら、はてブしちゃだめ - ぼくはまちちゃん!(Hatena))と言う戦略もそれなりに有効なような気もしますが、これはこれで問題なども出てきそうで個人的には何とも言えません。

ブロックツール一覧

Twitterはてなブックマークであればブロック機能が用意されてあるので良いのですが、通常の記事に関してはそう言う訳にはいきません。そこで、最後に、いくつかブロックツールを列挙して終わります。まだ、詳細な確認はしてないので、そのうちまた追記しようと思います。