とある 2ch まとめブログの管理人が、自ブログで纏めた記事のソースとして表示している新聞社から削除依頼を受けた事例に関して持論を述べている記事が目に留まりました。
これらの記事で、個人的に興味深かったのは以下の部分です。
>新聞記事の論評したい部分を抜き出し、それに対する意見を述べた内容であれば、
>引用の条件に該当し、当社としても著作権を主張して削除を求めることはありません。
ということは、信濃毎日の一部文言だけ抜き出して引用して
後は以下ソースで問題なしという事ですね!いつもマスコミが「一部分だけ抜き出して印象操作してる」みたいな感じですね。
「前後のやりとり排除する」マスコミの得意分野みたいな感じですね。
ポエムの一部だけ抜き出せばいいと!あと
>質的、量的それぞれを充足する必要
充足は2chの反応ってことでいいですよね!信濃毎日新聞社さま、直々に引用方法を教えて下さるなんて。お墨付きを与えて下さるなんて。
ありがとうございます!さすが信濃毎日新聞社様は心が広いですね!
この記事を読んだ時の率直な感想としては、その「2ch の反応」も含めて全部転載なんだから引用条件が成り立つわけないだろう……と言うものだったのですが、その点を明確に記載している部分はどこなんだろう、とふと気になりました。
取りあえず、「引用」や「転載」をキーワードに少しググってみました。あまり自信はないのですが、参考になりそうなものは以下の記事などでしょうか(強調表示は、当ブログによるものです)。
引用に際して著作権法上遵守しなければならない点を次に掲げます。
http://www.medbooks.or.jp/forauthor/quot.php
- すでに公表された著作物であること。引用は公表されている著作物に適用されます。出版などによる発行はもちろん、ホームページでの公開も、一般的には「公表」に含まれます。
- 引用する「必然性」があること。自説の補強・展開、学説の批評などの目的のため、他人の著作物を使用する必然性がなければなりません。
- 引用部分が明瞭に区分されていること。自分の著作部分と引用する著作部分を明瞭に区分することが必要です。区分の方法は、「 」でくくるとか、引用文の前後を1行あける、1字下げにするなど、自分の著作物と誤認させないよう、体裁上の区分をしなければなりません。
- 引用部分とそれ以外の部分に「主従関係」があること。自分の著作部分が“主”であり、引用する著作部分は“従”という関係でなければなりません。量だけで判断されるものではありませんが、トラブルをさけるためには、引用して使用する分量は必要最小限にとどめてください。
- 原則として、原形を保持して掲載すること。著作者には同一性保持権がありますので、同一性つまり原形を保持することが必要です。
- 原著者の名誉や声望を害したり、原著者の意図に反した使用をしないこと。原著者が既に訂正・補足した著作物があるにもかかわらず、訂正前のまま引用したり、あるいは引用して批評すると、原著者の名誉や声望を害した利用となる可能性があります。
- 出所(出典)を明示すること。出所明示は、引用した部分のなるべく近くにすることが原則です(明示方法等については後述)。巻頭や巻末に参考文献として掲げただけでは、引用部分と出所との関連が不明確なので、出所明示とは認められない場合があります。
引用条件が成立するためには、引用部分とそれ以外の部分に「主従関係」がある事と言う点はよく言われますが、上記では「主」の部分が「自分の著作部分」と明記されています。また、引用と転載 - 著作権 と言う記事では、もう少しはっきりと「自分のオリジナルな文章」と言う解説がなされています。これらの記事の解説にしたがうと、最初の記事で 2ch まとめブログの管理人が主張されていた「主」である「2ch の反応」の部分も自らのオリジナルな文章ではなく他記事からの転載なのでアウトと見なす事ができる……ように思います。
もっとも、2ch まとめブログの構造的にはあくまで転載元は2ちゃんねるなので、そこからのクレームのみに注意を払っておけば良いと言う感じなのかもしれません(いろいろな 2ch まとめブログの話題になった過去記事を漁ってみるとリンク切れのものも多いので、恐らく2ちゃんねる以外からの削除依頼にも応じてはいるようですが)。一見、無法地帯かとも思えるような転載っぷりを披露している 2ch まとめブログが http://www.2ch.net/warn.txt や まとめを装ったカモフラージュ広告 のような警告には驚くほど素直に従うのも、その辺りに起因するのかなと思いました。
無断転載問題に関しては、各種 2ch まとめブログ、NAVER まとめ、Tumblr など結論の出ていないものが数多くありますが、これからどう言った形で運営され、受け入れられていくのか(あるいは、滅んでしまうのか)も気になるところです。