下流に幸あれ

Yahoo!投票にて興味深いお題で投票が行われていたので,今回はこれに関するお話.

「所得格差が広がっている」と思う人が約8割に。あなたはどちらを選ぶ?

つらい思いを耐え忍んで働く高所得 25105票(47%)
好きで楽なことをして働く低所得 29282票(54%)

Yahoo!投票2006年03月20日より03月22日現在 計54387票)

残念ながら,ほぼ均等に票が割れてしまいましたが,この投票はなかなか興味深かったです(若干,低所得派が上回ってるのが,都合が良いといえば良い)。

昨今では,世の中の風潮やマスコミの煽りも手伝って,相当数の人が経済格差が広がっていると感じています(実際問題として,経済格差拡大?ではその傾向は小さいと書いたが,経済格差は広がりつつはある).そのため,「経済格差は拡大したと思いますか?」というアンケートでは結果が目に見えてしまい,そこからはあまり面白い発見が生まれません.

そこで,私が気になっているのが,経済格差は広がっているが,世の中の人はそれをどう思っているのかということです.実際に経済格差が広がっていたとしても,金銭的に``負け組''の人が別にそれはそれで良いと思っているのならば,(最低水準が維持できることが条件になるが)世の中で騒がれているほど問題ではないということになります.

下流社会のキャッチフレーズである「いつかはクラウン」から「毎日100円ショップ」の時代へに関しても,それが良いか悪いかは判断しづらい所です.``クラウン''は車好きならいつかは欲しいモノなのでしょうが,それ以外の人にとっては通常の車で十分です(むしろ,そっちの方が便利な場面も多々存在する).また,生活に必要なモノはどんどんリーズナブルな価格になっています(パソコンなどがその最たる例).このような結果,上記の本で紹介されている``下流な人''が出現したのだと思われますが,(社会全体で見て,生活水準が下がらないという条件が成り立つならば)それはそれで良いのではないでしょうか.

とは言いつつ,投票結果を見る限りは予想以上に人はやはりお金に執着しているのかなという気はします.上記のような設問なら,もう少し低所得派が増えると思っていたのですが(お金に執着することを悪いとは思わないし,どのような階層の人が投票しているのかも分からないので,何とも言えない部分は大きいが).