浮気や不倫はなぜ不快なのか

Web上でいろいろなエントリを読んでいるうちに浮気・不倫に関して気になることがあったので,今日はその話題について.関係ないですが,私は浮気と不倫の違いを知らないですが,この2つの違いとは何なのでしょう.

昨日も一部で誤解を受けたが、私は不倫を推奨するわけでも、正当化しているわけでもない。結婚しているならば、他の異性と性的交渉をもってはいけない。その根拠は、民法で「貞操の義務」が定められているからである。


Simple:戦前の日本は一夫多妻制だった

上記のように,既婚者の浮気・不倫は民法によって禁止されています(セックスしなければ良いのかといったような問題もありますが,ここでは考慮しません).そのため,現在の社会においては(既婚者が)浮気や不倫をすることは許されません.

ここで一つの疑問が浮かびます.現在の社会では多くの人が浮気・不倫は許せないと考えていますが,それは決して“法律で禁止されているから”許せないという訳ではありません.浮気や不倫が禁止されていることを知らなくても,それが許せないと感じてしまう人がこれほど多く存在しているのはなぜなのでしょうか.

社会学者、山田昌弘の『家族というリスク』(勁草書房 2001)の「恋愛自由化の代償」の冒頭部分(p181〜)をまとめてみよう。戦前の恋愛や結婚について、山田が次のように述べている。

  • 恋愛と結婚は比較的分離していた。
  • 結婚は一種の経済制度であり、上流階級の結婚は家柄や財産に基づいていた。
  • 男女交際は、経済とは別のところで営まれていた。
  • 上流階級の男性は、結婚外で恋愛(セックスを含む)をする自由があった。
  • 配偶者以外と活発な恋愛をし、いわゆる「妾」を持つ人も多かった。
  • 戦前までの日本は、実質的な一夫多妻制だった。
  • 庶民の間では、比較的自由な男女交際が可能で、「夜這い」や「若者宿」などで性愛関係が営まれていた。


Simple:戦前の日本は一夫多妻制だった

浮気や不倫が許せないと感じるのは昔からの共通の感情だと考えることもできますが,戦前では既婚者の浮気や不倫は現在よりも比較的オープンに行われていたようです.オープンに行われていたからといって,昔の人は浮気や不倫を何とも思っていなかったと言うことはできませんが,仮にそうであったとしたら人々の心はどこで変わってしまったのでしょう.

現在の社会では,浮気や不倫が法律で禁止されていることを知らない人々の間でも,それが許せないことだという認識は比較的広く受け入れられています.しかしながら,なぜそういう流れになったのかなと考えると,洗脳とは言いませんが,(例えば,テレビの影響力などを利用して)どこかで大きな力が働いているのかなと思ったりもします.

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