投票には行くべきか

参院選が近いので,今日は選挙に関するネタを.素人が下手に口を出すと火傷するZEて気がしますが.結論としては,投票には恐らく行かないと思います.そんなこと言うと非難轟々なのかもしれませんが,良く言われる“決定事項に賛成”と取ってもらえれば良いです.

私が選挙に行かない最大の理由は,“どの政党(の政策)が良いのか私には判断できないから”だろうと思います.上でも素人は〜と述べたように,私は,中途半端な知識であれこれ物を言うのは良くなく*1“選ぶ”ならそれなりに知識をつけるべきでは,という意識がぼんやりと存在します.

仮に、20歳を過ぎても珍走団(暴走族)でバイクを乗り回している有権者がいるとしよう。彼らが、「ヤバイ。超ヤバイ。『高速道路無料化』だって。民主党に投票すると、タダで高速走れる。マジでヤバイ」とか考えて、民主党に投票してしまう可能性があるのである。(べつに民主党を批判しているわけではなく、短絡的な考えで投票を行うことで、投票のレベルが落ちてしまうことを批判している。)

http://simple-u.jp/pd200311.html#2003-11-10

珍走団ではありませんが,十分な背景知識がない場合,消費税が上がりそうであれば激昂して野党へ入れるなど短絡的な思考で投票を行ってしまいます.それはそれで良いという意見もありそうですが,個人的にはその意見には賛同できません.

ただ,選挙権は20歳を超えると無条件に与えられます.そして,政治に関心がないと発言したり選挙権を放棄するような事をすると,“もっと政治に関心を持つべきだ”とか“白紙票でもいいから投票すべきだ”などと非難されます.この辺りが,政治の関わり方を難しくしている原因の一つではないか,と思います.関心を持つのはいいのだけれども,どの辺りまで知識を付けることが求められているのか.内閣総理大臣の名前を知ってればそれで良いよ,程度のレベルを求められているのか,現在の法体系(民法とか刑法とか?)がどのようになっているかを把握していないと話にならない,というレベルまで求められているのか.

実際の問題として,有権者に対してこういった非難が向けられるのは,支配の正当性を得るためという理由も多分にあるのだろうと思います.

支配者は、強い支配力を求める。大衆を動かしたり、口を封じ込めるための権力が、支配者には必要である。そのためには、「説得」「暴力」「威嚇」などが必須である。

代表者の選出は、ランダムサンプリングが可能であれば、数パーセントの国民の投票でも結果は同じである。しかしその投票方式では、「みんなが選んだ」という説得力のある権力が、支配者に与えられないのである。国民に等しく投票権を与え、投票させることによって、支配することに正当性を持たせているのだ。

一部の人にだけ投票させようが、国民全員に投票権を与えようが、選ばれる人は同じである。しかし、国民全員に投票権をあたえることで、「みんなが選んだ」という説得が可能になる。これにより、「説得による支配」という、ある意味では恐ろしい権力を、支配者が持つことができるのである。

http://simple-u.jp/pd200311.html#2003-11-09

人は放っておけば言いたい放題で収集がつかなくなるので,ある程度の支配力が必要になります.その意味では,政治家が有権者に対して“お前達が選んだのだから文句を言わずに付いて来い”とか“権利を放棄したのだからつべこべ言う権利はない”という論法を使うのはアリなのではないかと思います.ただ,この論法をおなじ有権者が使うのは同士討ちをしているような感じがして,何だかモヤモヤしてしまします.信じる方が馬鹿と発することを書いたときにも感じた気持ちですが.必死に争っている後ろで,“見ろ!人がゴミのようだ!”と言われているようなそんな気持ち.

*1:その原則で行くと,自分の専門分野以外の話題についてblogで言及すべきではないということになり,墓穴を踏んでいるかもしれませんが.