ホンダ<7267.T>は16日、同社が2月26日に発売したスポーツカータイプの新型ハイブリッド車「CR─Z」の受注台数が、3月14日時点で8000台に達したことを明らかにした。月販目標台数は1000台であったため発売から1カ月経たずに約8倍の受注を達成した格好だ。
ホンダが「CR─Z」8000台受注、計画の8倍
CR-Z と言えば,ここ最近,mixi のマイミクの名前に「CR-Z」と言う単語が目立つようになっており「何だろう?」とずっと疑問に思っていました.どうやら,mixi アプリとの連動企画だったようです.
Ole! Ole! CR-Z
何らかの褒賞を餌にして,ユーザに宣伝活動をさせようと言う動きはしばしば見られます.mixi アプリで言えば,「友人にアプリを紹介してポイントをゲットしよう!」のような類のものがよく見受けられます(自分に届くメッセージを観測しているのみですが).この形は,昔からある勧誘形式(スポーツクラブ,塾,etc)を Web に当てはめたもので,比較的早期から見られました.
CR-Z の例のメリットは,上記のようなダイレクト・メッセージを(既に利用しているユーザ経由で)送りつける方法に比べて,宣伝対象へのイメージ低下が小さいというものが考えられます.mixi アプリに関して言えば,(既に利用しているユーザを媒介とした)ダイレクト・メッセージ形式の宣伝活動を最も早期に取り入れたものとして「サンシャイン牧場」,「みんなの農園」辺りを記憶していますが,割と頻繁にメッセージを受信していた(≒いちいち受諾/拒否の選択をするのが面倒)事もあって,あまり良いイメージは抱いていませんでした.これらに比べると,先の CR-Z の例は「まだマシ」と言う印象を抱きます.
さらに,名前と言う「(マイミクの)多くの目に留まりやすい箇所」に特定の単語を挿入させる事の宣伝効果はかなり高いのではとも感じます.私自身を例にすると,多くのマイミクに CR-Z と言う単語が並んでなければ最初のニュース記事を見ていたとしてもスルーしていた可能性は非常に高いです.「買う/買わない」と言う選択肢まで届くかどうかは未知数ですが,まったく車に興味のない私にも「CR-Z と言う名前の車がある事」を認識させたのは,宣伝効果としてはかなり高いような気がします.
ただ,一方で,この CR-Z の例は「まだ誰もやってないから実現できた」と言う印象が強いのも確かです.今後,同様の例が多発するようになるとマイミクの名前が混沌としてくる(名前の中に複数のキーワードが並び,訳が分からなくなる)可能性があります.そうなってくると,そういった状況に不快感を示すユーザが出現し,期待した宣伝効果を得られくなる事も考えられます.Twitter の宣伝の例でも少し触れられていましたが,宣伝と言うものは「初めてだからこそ実現可能である」と言う性質が他よりも強いのかなと言う感想を抱きました.
すごろくやの「フォロワーの数×1円割引」キャンペーンは、1回きりで終わる見通しだ。「初めてだからこそ面白がってもらえた。あまり続けると悪用する人もでてくるし、フォロワー数の意味が変わってしまう」ため。
「フォロワー数×1円割引」――太っ腹な“Twitter割り”はなぜ可能だったのか - ITmedia NEWS
「興味のない人を振り向かせる」のは非常に困難な事です.単純に自社の Web サイトで宣伝記事を掲載したり,ユーザに提灯記事を書かせても,「そもそも興味のない人」はなかなか読んでくれません.そのため,宣伝活動はややもすると「それはどうよ?」とユーザに不快感を抱かせるような過激な方法に走ってしまいます.この辺りの微妙なライン(やっても良いのかどうか,また,ミスった場合の宣伝対象のイメージ低下の大きさ)を見極めるのはなかなか困難な事だなぁと感じました.