痛いニュース系の 2ch まとめブログと Twitter の相性の良さ

何か 2ch まとめブログの話題ばかり取り上げているような気もしますが。

http://lobsoku.plusvip.jp/archives/original/2663 と言う記事を読んだ後に http://sogap.cielquis.net/2012/04/23/nichan.html を見直すと該当の記事がトップ 2 に並んでいてちょっと驚きました。

2ch まとめブログの問題点は、大別して以下の 4 点が存在します。

  • コンテンツファーム(低質な記事の乱造)
  • 著作権の侵害
  • 個人情報への無配慮
  • 恣意的な編集(デマ、捏造を含む)による過度な扇動

この中で、最後の「過度な扇動」については Twitter が大きく寄与しているように感じます。

自ら「馬鹿発見器」と揶揄する Twitter を最大限利用する 2ch まとめブログ

例えば、以下は、問題となっている『声優・山寺宏一さん 「アニメ作品の声優に、話題性だけの有名人・タレントを起用しないで欲しい」』と言うスレに対する各種 2ch まとめブログの該当記事のカウント(Twitter 上での呟き数、はてなブックマーク数、Facebook の「いいね!」数)一覧です。

これを見ると、他に比べて Twitter 上での呟き数が突出している事が分かります。

はてなブックマークもかつて(今でもでしょうが)、「PV を稼ぐための容易な手段の一つ」として各種メディアに利用されてきましたが、はてなブックマークに関してはこの手の話題(痛いニュース系)は大きくは拡散しないため*1、デマ、または偏向的な情報が拡散してしまう問題については、そこまで深刻ではありませんでした。

しかし、Twitterリツイートボタン等の構造的な特徴もあって「衝撃的なニュース(≒痛いニュース)ほど情報が拡散しやすい」と言う性質が存在します。また、ユーザ規模の違いもあり Twitter から(大ヒット時に)流れてくる PV も桁違いに大きいため、2ch まとめブログの運営者からすると PV を稼ぐための「容易な手段の一つ」から「最も考慮すべき手段の一つ」として認識されつつあり、その結果、「恣意的な編集で読者を煽る」と言う性質がより強まっているのだろうと予想されます。

体質は改善するのか?

さて。ユーザとしてこう言った問題にどのように対抗すべきなのかは非常に難しい問題となります。例えば、「はちま起稿」については今年始めに発生した 2ch 界隈を中心とした騒動で 管理人の個人情報と広告代理店との背後関係が暴露され、謝罪文を掲載、管理人交代 と言う事態にまで発展しましたが、更新頻度等その後の活動を見ていると特に変わった様子もなく、この手の炎上騒ぎは大して意味を持たない事が分かります。

この時期に至ると、写真週刊誌関係者の意識は、競合誌との発行部数差を意識するあまりに社会規範を軽視する風潮が甚だしく、「事件・事故の写真は遺体が写っててナンボ」や、「芸能人は致命的スキャンダルを晒させてナンボ」と、より発行部数増大のための過激で話題性の高い誌面作りの追求を至上とし、挙げ句には「芸能人にスキャンダルを起こさせてナンボ」という、とにかく刺激的でより発行部数が稼げる誌面さえ作れるならば、手段は全く厭わないという風潮まで見られるようになっていた。これに乗じて、人気芸能人や若手の注目株と目されている俳優やスポーツ選手との間で男女の肉体関係などのスキャンダルの構図を作り出し、写真週刊誌、ついでテレビのワイドショーに計画的に情報をリークさせて話題として盛り上げさせることで、自身の売名のために利用しようとする三流の芸能タレントやグラビアアイドル、アダルトビデオ女優までもが続々と出現するに至った。ある意味では編集者、カメラマン、ライター全てのモラルが崩壊した中で、『報道の自由』という言葉の独り歩きと暴走が平然かつ公然と行われたわけであるが、「有名人にプライベートは存在しない」「報道のためなら人権すら無視する」「有名人の職業生命を脅かしてでも部数を稼ぐ」というこれら姿勢は、やがて数々の破綻と問題を招くことになった。

1986年12月、ビートたけしたちによるFRIDAY編集部への襲撃事件が起きる。この事件では、一般大衆からは加害者側に対する同情が比較的集まり、逆に被害者であった筈の写真週刊誌編集部そして写真週刊誌業界全体に厳しい視線が集まる結果となり、写真週刊誌業界にとっては事実上のターニングポイントとなった出来事となった[2]。だが、この事件で写真週刊誌業界全体が様々な批判を受けても業界の体質は相変わらずで、実際に作り続けられる誌面は、標的とされる著名人はもとより、読者たる一般の大衆にとっても不快感を催しかねないだけの内容が相変わらず多くを占め続けた結果、数年も経たない内に読者層からも見限られ、発行部数の凋落が始まる。

写真週刊誌 - Wikipedia

現在の 2ch まとめブログと似たような状況としては、(かつての?)週刊誌が挙げられます。週刊誌についても一時期、社会規範を軽視した記事が乱立されたようですが、結果的には、やりすぎによる読者の離脱や芸能事務所等との無視できないレベルでの関係の悪化のせいで収益を確保する事が難しくなり淘汰されていったと言う経緯があるようです。

この事例を考えると 2ch まとめブログもそのうち「やりすぎによる淘汰」が発生するのではないかと言う希望的観測もあるのですが、週刊誌と違って読者自身には金銭的問題が発生しない事と、Twitter の呟く、またはリツイートする事への心理的なハードルの低さを考えると、残念ながらそうはならなさそうだなと言うのが、私の現状での感想です。

2ch まとめブログ(と言うか Google AdSense 等をメインとしたアフィリエイトブログ全般)の性質上、「PV が減少する事が最も手痛い問題」である事は確かなので、PV を減少させるような何か(不買運動ならぬ不閲覧運動?)が生まれれば、また変わってくるかもしれません。

*1:性質的には、ライフハック系ブログや NAVER まとめの方が相性が良い。