タイトルは当初、「| ^^ |秒刊SUNDAY のブーメラン事例」にしようかとも思ったのですが…… SoGap の更新を確認していると以下の記事が目に留まりました。
名古屋市制100周年を記念して地下鉄桜通線と共に設置された記念モニュメント「飛翔」。名古屋駅を降りれば誰もが目に留まる超メジャーな建造物だ。それだけに近づくことすら恐ろしい神聖で神秘的な建物であるが、その建物に登っている学生がいると話題になっている。
…(中略)…
もしこれで通報されて被害届が出されれば住居侵入及び器物損壊などの罪に問われる恐れもある。それ以前に神聖なこのモニュメントに上るというのは非常にモラルを欠く行為であり、名古屋人として恥ずかしい罰あたりな行為だ。
…(中略)…
ネットでは「由緒ある場所に信じられない」「小学生レベルだ」と批判が寄せられている。
…(中略)…
問題の学生は直ちに反省していただき、モニュメントではなく将来の高い目標に登っていただきたいものだ。
あまりに不道徳過ぎる名古屋の学生がツイッターで話題に|| ^^ |秒刊SUNDAY
記事内容としては、昨今の Twitter 炎上系の事例に対する批判としてよく見る「不道徳だ。けしからん」的なものなのですが、この | ^^ |秒刊SUNDAY、次の日に別件で自らも「不道徳だ。けしからん」と言う批判を受けて謝罪記事を掲載すると言う事態になったようです(参考:桜塚やっくん死去!なんと東原亜希のブログに登場していた事が判明の記事削除について|| ^^ |秒刊SUNDAY)。既に該当記事は削除されていますが、転載メディアに掲載されている記事等で筆者を確認したところ、上記の Twitter 炎上事例への批判記事を書いた人と同一人物(「たまちゃん」)でした。
この事例で分かるのは、他人に対しては「不道徳だ」とか「問題の学生は直ちに反省していただき、モニュメントではなく将来の高い目標に登っていただきたいものだ」などと言ったご高説を述べておられる人であっても、いざ自分の行動となると何が「不道徳」なのかを事前に(冷静に)判断するのは想像以上に難しいと言う事です。自分で「これをやったら面白いんじゃないか?」と言う何かを思いついた時には(程度の差はあれ)感情が昂っている事も多く、その結果、「これ位の事なら大目に見てもらえるだろう」のような甘い判断基準となってしまうのではないかと言う気もします。
炎上メディアとして有名な | ^^ |秒刊SUNDAY
もっとも…… | ^^ |秒刊SUNDAY は元々、自ら「炎上メディア」を公言している事で有名なサイトです。
湯川 確かに段々慣れてくるのはあります。慣れてきて、集客ツールとして使えそうだなと気づいたんです。炎上することで、ある意味SEO対策にもなるんですよ。色々なサイトがウチのことを取り上げるから、ウチの名前がどんどんネットに増えていって、ページランクの高いニュースサイトにも拾ってもらえるようになる。するとさらに名前が増えていくという。
普段はウェブのコンサルをやっているんですけど、そこで「一番効果的なのは炎上だよ」と言いそうになります(笑)。まあ、さすがに一般企業さんではデメリットが大きすぎるから使えないけど、個人サイトなら使い方によってはいい道具になりえると思います。
―― 一般企業と違い、個人なら実社会との切り離しも自分の裁量で出来る。しかも多少の問題行為も、企業体の総意みたいな悪意の拡大解釈を免れて、一人の個性として許容される場合もあるという感じですかね。
湯川 そうですね。だけど、炎上慣れする過程で、周囲からも「よく炎上を起こすやつ」として認識されてしまう。すると、炎上のハードルが上がってくるんですよ。そのあたりが難しいですね。たとえば、官僚クラスのエリートが店の看板を蹴って壊したとブログで自慢げに語っていたら、炎上する可能性が高いですよね。それが僕だったら「こいつまた炎上させようとしてやがるな」となって、恐らく炎上しない。もうそろそろ、法律に思い切り触れないと炎上しないレベルになっていると思うんです。さすがに逮捕は嫌だけど、究極の選択としてはやるしかないかなと(笑)。まあ、捕まるとしても「そんなことで捕まるんだ」と思われるような、カラクリがないとつまらないですけどね。
ASCII.jp:なぜ秒刊SUNDAYはわざと炎上する方向に進むのか? (1/5)|古田雄介の“顔の見えるインターネット”
例えば、引用した記事の最初の方で炎上例として挙げられている 新絶妙バーガーを完食しても返金可能かやってみた! などの記事は、個人的には、昨今の Twitter 炎上事例と大した違いはないんじゃないか(美味いと言いつつ返金を迫る様子を公の場所に晒している所など)とも思います。こう言った背景もあるので、| ^^ |秒刊SUNDAY で「不道徳だ。けしからん」と言う主張が書かれていたとしても「どこまで本心で言ってるのかは怪しいところ」と言う気はします*1。
いろいろ思う所もありますが、全体としては、「人の振り見て我が振り直せ」を身を持って体現している事例かなと思いました。
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*1:あの頃とは、記事の執筆者も運営体制も変化しているようなので、一概に比較はできないかもしれませんが。