身内ブックマーク問題 - Life like a clown のフォローアップ記事になります。まず、前回の記事は、私の単純な事実誤認もいくつかあり何かグダグダになってしまいました……どうもすみませんでした。
過去の事例等の話は置いておくとして、前回の記事で最初に挙げた「最近、話題になった事例」に関しては はてなブログの中の「うちらの世界」 - はてブのまとめ で「はてなブログ」界隈での事情が詳細に解説されていました。個人的には、自分の分かっていなかった事、認識していなかった事がいろいろと書かれており、非常に興味深い記事でした。
今回は、上記の記事をベースに一つ調査を行いましたので、その結果も踏まえて、はてなブログ界隈で起こっている現象に関する現時点での自分の考えをまとめてみようと思います。まだまだ認識が不十分な点も多いので間違っている部分もあるかと思いますが、何か指摘等がありましたら、できるだけ修正は行っていこうと思います。
ツールによる観測範囲の制限
まず、該当ユーザ達が実際にどう言ったサイトをブックマークしているのかを調べるために はてなブログの中の「うちらの世界」 - はてブのまとめ で挙げられていたユーザや、それらのユーザと関連性の強そうなユーザを適当にいくつかピックアップしてみました。調査方法は、各ユーザがブックマークしている URL を最大 500 件ほど取得し、それらをドメイン毎に分類*1 して分布図を見てみる と言うものです。
本題に入る前に、参考データとして、私 (b:id:tt_clown) の直近 500 件のブックマーク内容の分布図を以下に示します。タイトル横の (300 / 500) と言う数値は、500 件中 300 種類のドメインが含まれていた事を表します。今回は、はてなブログが焦点となるので、はてなブログと思わしきドメインについては赤字で表示しています。
それでは、いくつかのユーザのブックマーク内容についての分布図を示していきます。尚、グラフの元データに関しては、hatena-user-20131108.zip からダウンロードする事ができます。
まず始めに気付く事柄は、やはりと言うべきか、全ブックマークに占めるはてなブログドメインの多さです。この点については、先の記事で述べられているように「はてなブログユーザの使用しているツール」による所が大きいのだろうと予想されます。
はてなブログのアプリはアクセスを見ることができ、記事も書くことができる。更にはてなブログ専用のRSSとしても機能してるんです。マジめっちゃ便利なアプリです。私も1日に何度も見ます。アクセス気になりますからね。
アクセス見たり記事を書くついでに、他のはてなブログが更新されてるかも自然に見てしまいます。スマホからは見れないですが、サイドバーのプロフィールに購読者の数字ありますよね。あれは、はてなブロガーが、そのアプリのRSSに入れた人数と思ってください。
はてなブログの中の「うちらの世界」 - はてブのまとめ
自分の購読している RSS フィードを眺めながら気になるものがあったらブックマークする、と言う事は私もよくやっているので、行為(行動パターン)自体は旧来のユーザとそれほど大きく異なるものではないだろうと思います。ただ、使用しているツール(≒RSS リーダ)の性格上、はてなブログ以外のサイトを購読する事ができないので情報を収集できる最大範囲(観測範囲)をツールによってかなり制限される形となっており、これがブックマーク内容の偏りを助長しているようです。問題のツールが他でもない「はてな」製のものですので、この辺りは、該当ユーザの問題と言うよりは「はてな」側の各種設計の甘さと捉えた方が良いでしょう*2。
この点(はてなブログばかり)を除いて観察した場合、もちろん人によって抱く感想も異なるでしょうが、個人的には許容範囲内な使い方に収まっているのではないかなと思います(1 人、か 2 人くらい、コメント内容も含めて少し気になるユーザはいましたが)。ユーザによっては、いくつかのサイトにブックマークが偏っている様子も見られましたが*3、少なくとも特定のサイトの記事を機械的にブックマークするような行為(スパム)は行っておらず、使い方としては「はてな RSS リーダ(っぽいツール)で更新を確認したら、コメントしたい記事があったのでブックマーク」と言うものが多いようです。
おわりに
前回、身内ブックマーク問題 と言う記事で「SBM スパム」の枠組みの中でこの現象を取り上げたのは、外から見ている分には(前回挙げた例で言うと)ブックマークファーム の事例に類似して見えたからと言う理由でした。しかし、改めて調査してみると、偏りの原因は「はてな」から提供されているツールの影響による所も大きいようですし、個々のブックマーク行為を見る感じ、大きく責められるような使い方でもないかなと現時点では感じています。そんな訳で、前回の記事で不快に感じた方々に関しては、誠に申し訳ありませんでした。
今回の事例は、今までまったく認識していなかった部分を気付かせてくれたと言う点で、久しぶりに新鮮な気持ちになりました。ずっと停滞しているようにも見えるはてなブックマークにも新しい世代がやって来ている事を実感するとともに、何と言うか、自分も年を取ってきたなぁと言う事を再確認する事例にもなりました。