Because they want to be ...

今日は,読んでいてふと思ったことについて.

男性というより保守的な人の都合


・・・(中略)・・・


日本の女性は決して先進国にふさわしい活躍をしていません。制度上の差別がなくても、運用上で差別があることは歴然としています。同期で入社したのに、なぜ女性の方がお茶を運ぶのでしょうか。成績が良いのに、なぜ女性が上司になりにくいのでしょうか。まず、なぜ女性が支店長になる銀行はこれだけ少ないのでしょうか。


傍目八目 - あなたが気づかない、おかしく、そして素晴らしい日本: ニート、フリーター、そして女性

これに対する答えのひとつとして,“それはそれを望んでいる人が少ないから”ということが挙げられるのかもしれません(お茶汲み云々に関しては,別の問題でしょうが).

「結婚後の就業継続意欲」別にみると、「結婚した後も続ける」意欲があった者の継続就業(転職を含む)している者の割合は73.7%で、「結婚を機にやめる」と考えていた者の割合(39.7%)を34.0%ポイントも上回っている。さらに、「出産後の就業継続意欲」別にみると、「出産した後も続ける」意欲があった者の「同一就業継続」者割合は78.9%と高い。


厚生労働省: 「平成16年版 働く女性の実情」

見方を変えると,仕事をやめた人の多くは“仕事をやめる気だったから”であると言えます.私の知人でも,出産したら仕事はやめると言っている人もそれなりに見かけます.“自分の生活において最も重要なものは仕事”と考えている女性が増えてきていることは事実だと思いますが,そうではない(できれば仕事せずに,育児などに専念したい等)と考えている女性もまだ多いということも事実です.

上記の記事の,男性というより保守的な人の都合という主張はある意味正しいと思います.例えば,先ほど挙げた後者の女性は,現在の社会においては“保守的な女性”であると言えます.そして,そういった“保守的な女性”もまだまだ数多く存在しています.現在の日本においては,恐らくは,男女間の仕事上における格差はまだまだ残っています.しかしながら,仮にそういった格差がなくなったからと言って管理職等の重職につく女性が多数出現するかと言うと,必ずしもそうとは限りません(現状よりは,間違いなく増えるでしょうが).格差がなくなったしても,一般的な(≒多数派の)女性の意識が変化しなければそこまでの変化は起こらないでしょう.

“性別における差別が存在する”ならば,それは大きな問題でいずれ解決されなければなりません.しかし,“日本の女性は決して先進国にふさわしい活躍をしていない”のが大きな問題かどうかについては,何とも言えないのではないかと思います.


参考