「Gunosy が来ている!」、「Gunosy とか全然来てないから……」、「Gunosy 砲を体験しました!」などと外から好き放題言っていた割に Gunosy の中身をまったく知らなかったので、調査的な意味も含めて先週くらいから Gunosy を使い始めてみました。
現時点で気づいた事のまとめ
Gunosy を始めて一番最初に抱いた感想としては「あぁ、paper.li みたいな奴なのね」と言うものでした。paper.li と言えば、最初に見た時はえらく感動して paper.li が面白い - Life like a clown みたいな記事を書いたほどだったのですが、結局、一週間くらいで使わなくなってしまいました。世の中難しいものです。
一見すると似ているなぁとも思った Gunosy と paper.li ですが、違いを挙げるとすると以下辺りでしょうか。
- 分母となる記事 (URL) が異なる。
- Gunosy には学習機能が付与されている。
- モバイルに強い。
1 点目としては、paper.li がサービス利用者の Twitter タイムライン (TL) 上で表示された URL の中から選択しているのに対し、Gunosy は自サービスで能動的に収集した「話題になっている URL」の中から選択していると言う点で異なります。2 点目の「情報推薦機能(レコメンデーション)」も含めて、「paper.li は自分の TL 上で見逃した URL を確認すると言う性質が強いのに対して、Gunosy は自分がまだ触れていない(好みの)情報を探してくると言う性質が強い」と言えるのかなと思いました。
3 点目は、paper.li の現状をまったく把握していないので比較と言う訳ではないのですが、Gunosy は自分のブログのアクセスログを見てる限りでは「モバイル(スマホ)方面での影響力が強いんだなぁ」と言う印象を抱いています*1。
この図を見ると「Gunosy 砲」が発生するとスマートフォン等のモバイル端末からのアクセスが PC と逆転するレベルにまで急増し、それがはてなカウンターの結果と乖離する原因となっている事が分かります。はてなカウンターはこのブログのサイドバーに配置しているのですが、はてなダイアリーのスマートフォン用のページからはサイドバー部分は表示されず、その結果、はてなカウンターがモバイル端末からのアクセスをカウントできていないためだと推測できます。
Gunosy 砲で実感するスマートフォン時代の幕開け - Life like a clown
このブログは基本的にアクセスのほとんどが PC 経由なのにも関わらず、Gunosy 砲が来るとモバイル(スマホ)からのアクセスが逆転すると言う現象が何度か見られたので、モバイル(スマホ)ユーザを数多く獲得しているのだろうと推測されます。Gunosy は UI 的にも「新聞」を意識した作りになっているので、通勤・通学途中にスマホで閲覧しているユーザが(Gunosy で紹介された記事に)大挙してやってきているのかもしれません。
「Gunosy 砲」はやがて消える運命か?
ブログ運営者側の視点から見ると、個人的にも「Gunosy 砲」は現時点では主要な流入元として気にする程のインパクトを持っているように感じているのですが、Gunosy の方向性と言うか性質を考えると、そう言った「Gunosy 砲」と言う現象はそのうち少なくなっていくのかもなぁと言う気がしています。
「Gunosy 砲」がなぜ発生するかと言うと「多くの Gunosy ユーザに同じ記事が表示されているため」と言う事になります。これは「ユーザの興味にあった記事を提供する(パーソナライズド・レコメンデーション)」と言う Gunosy の目標を考えると「パーソナライズ部分のアルゴリズムがまだまだ成熟していない」あるいは「十分にパーソナライズ機能を発揮できるほど、分母となる記事・URL を収集(クロール)しきれていない」と言うシグナルであるとも考えられます。
もちろん「万人に推薦すべき記事」と言うものも存在するでしょうし、「パーソナライズ機能による細分化以上のペースでユーザが増加する」あるいは「Gunosy が現状の推薦アルゴリズムを大きく変更しない」と言う状態になれば引き続き「Gunosy 砲」を観測する機会にも多々遭遇するとは思われますが、基本的には「Gunosy が頑張れば頑張るほど(パーソナライズによる細分化が進み)、Gunosy 砲と言う現象は少なくなっていく」と言う性質を帯びているので、ブログ運営者側としてはあまり期待しすぎるのは危険かもしれません。
タイル状のレイアウトは受け入れられているのか?
Gunosy については「タイル状のレイアウト」を採用している点も気になりました。
タイル状のレイアウトと言えば、はてなブックマークが トップページとカテゴリページをリニューアルしました - はてなブックマーク日記 - 機能変更、お知らせなど と言うリニューアルを行ったら大不評だったと言う事例が記憶に新しいのですが*2、実際のところ「タイル状のレイアウトと言うものはどの程度、望まれている、あるいは許容されているのか」と言うのは非常に気になっている点です。
まだまだ日が浅いので細かな部分は分かりませんが、取りあえずの感想としてはこんな感じでした。