仕様は炎上後にバグへと変わるだろう

バグは夜更け過ぎに仕様に変わるだろう」と言う替え歌がありますが、近年、この逆バージョンではないのかと訝しむ(最初は仕様だったはずなのに、途中でバグと言う事にされて修正された)ような事例を目にする機会が増えてきました。

こう言った事をふと思い出だしたきっかけは、以下の告知を見たためでした(一応念を押しておくと、下記の告知は第三者からはそう見えてしまうと言う話であって、該当部分自体が嘘だと言いたい訳ではありません)。

報道を受けて弊社で調査させていただいた結果、SimejiについてログセッションがOFFの場合でも一部のログデータが送信されていた事実を確認しました。このデータは、変換精度をあげるためのデータとして活用しているものですが、バージョンアップ時に起こった実装バグということが判明しました。こちらは今年3月にリリースしたバージョン5.6から発生していたことが判明しました。本日中に改善した最新バージョンを緊急リリース予定です。リリース情報は、準備ができ次第別途ご案内予定です。

一部の報道に対する弊社の見解|Baidu Japan

それで、自分がどこでこう言った事例を見かけているのかを考えてみたところ、ネトゲの告知に多いんだなと言う事に気づきました。

PC に対して不利な変更をする際、「倒せてはならない敵が倒せてしまっていた問題を修正しました」といったように、なぜか主観的な記述をする(運営側にとってどうあるべきだったかどうかは客には関係がない)。

…(中略)…

虚偽記述法を利用した皮肉としては、「PC がとてとてに勝ってしまう問題を修正しました」「時給が 4000 出ていた問題を修正しました」といったようなものがある。実際この記述法を用いれば、どんなに正常なものでも異常にできるし、どんなに異常なものでも正常にできる。なぜ運営側がこういったあからさまに悪意のこもった記述法を頻繁に用いるのかは不明。

http://lovelove.rabi-en-rose.net/usada10.php

上記はタイトルに付けた「炎上後」とはちょっと違うのですが……自分がやっていたネトゲMMORPG、と言うか RO)の告知を思い出してみても、ユーザにとっての下方修正(キャラクタの能力を下げる等)を行う際、素直に下方修正(バランス調整)と言う単語を用いずに「○○と言う不都合(バグ)を修正しました」と言う、あたかも「最初から修正後の挙動が正しい」と言うような口ぶりの告知を数多く見てきて、その度に辟易した事を覚えています。また、何らかのゲーム内での現象に対して、ユーザ側のコミュニティで盛り上がると突然「○○と言う不都合(バグ)を修正しました」と言う告知とともに修正されると言う事例も多数経験してきました。

仕様だったはずのものがバグになると言う現象が近年増えてきてる(ように感じられる)のは、「提供者(運営者)と消費者(利用者)との利害の乖離がこれまで以上に大きい」ような形態のものが増えてきているからなのかもしれません。「運営側にとって都合の悪いもの」を「不都合」と呼ぶのであれば「不都合を修正しました」と言う表現は間違ってはいないのかもしれませんが、利用者としては不信感を大きくするきっかけにもなり得ます。