株式会社キューブ・ソフト代表取締役の交代について

株式会社キューブ・ソフトは、2021年2月28日付で代表取締役 末次実男が退任・退職し、後任として津川知朗が代表取締役に就任する事となりました。また、クリエイティブ事業は廃止とし(業務実態が存在しなかったため)、ソフトウェア開発事業や Web サービス事業など、それ以外の全事業は代表取締役である津川の責任の下で引き続き進めて参ります。

開発者としてのキューブ・ソフトとの関わり

代表取締役就任の挨拶代わりに、少し、株式会社キューブ・ソフトと私の昔話でも書いてみようかと思います。私がキューブ・ソフトに参画したのは2009年頃で、前々代表取締役である久松潤之氏に、弊社の前身である株式会社フォアアンドモアに誘われたのがきっかけでした。ここから1年位、CubePDF の元となる PDF 変換用ソフトウェアの試作を繰り返しては、このソフトウェアの方向性をどうするのかを話し合う日々が続きました。

これが形になったのが2010年の6月辺りで、ここで初めて CubePDF と言う名前が登場します。しかし、残念ながら紆余曲折あり、このタイミングで(私を誘ってくれた)久松潤之氏が代表取締役から退く事となります。そして、社名を「株式会社キューブ・ソフト」に変更した上で 2010年7月7日に CubePDF がリリース される運びとなりました。尚、この流れを見て分かるように、「キューブ・ソフト (CubeSoft)」と言う名前は CubePDF を基にして決められたものです。

CubePDF の公開後、私の肩書きは引き続き CubePDF を含めた Windows デスクトップ・アプリケーションのメイン開発者となりました。CubePDF は、私が人生で一番最初に作成した GUI アプリケーションで、正直、ここまで多くのユーザー(100万人を大きく超えるような規模)にご利用頂けるようになるとは露ほども思っていませんでした。また、CubePDF の利用実績を買われてか、通常であればこのような零細企業では相手にもされないような大きな企業様から、カスタマイズと言う形で直接声をかけて頂く事も何度かあり、いろいろな意味で貴重な経験であったように思います。

ソフトウェアの品質と言う点に目を向けると、弊社の代名詞と言っても過言ではない CubePDF が、GUI と言う観点で見ればそこまで難しいものではなかった事も幸運であったように感じます。GUI プログラミングにおいて最も重要な点は、ユーザーに対して「画面がフリーズしたように感じさせない」事であり、これを初学者が完遂させるのは言うは易く行うは難しとなります。実際、CubePDF UtilityCubeICE はこの点が大きな課題として挙がり、後に決断する大規模改修の動機の一つとなりました。

一方、CubePDF は「必要な設定をして、変換ボタンを押したら、後は待つだけ」と言う基本操作の流れが、非同期処理が不完全でも GUI の操作性にそこまで致命的な影響を与える事はなく、これは本当に幸運でした。

開発者から経営者へ

これまで述べてきたように、私は開発者として株式会社キューブ・ソフトに関わり、私の職務は Windows デスクトップ・アプリケーションの品質の維持または向上と捉えていました。一方、それ以外の部分、特に組織を維持していく上での収益源の確保に関しては別の方の責務と認識しており、もちろん意見は出していましたが、そこまで積極的に絡む事はありませんでした。

しかし、2019年頃から、この認識を改める必要性が出てきました。様々な理由により弊社も社内体制を変えていく必要があり、この過程で、私が暫定的に Windows デスクトップ・アプリケーションに加えて Web サービスも含め、Cube と名の付くプロダクト全てを統括し、あらゆる面でどう進めていくのかを意思決定する形となりました。Cube シリーズへのバンドルについて の記事において弊社のバンドルポリシーを明確に定めましたが、これが私が(収益に影響する事で)単独で意思決定した最初の仕事となりました。それ以外にも有償プランの試みなど、これまでの資産を大切にしつつ、弊社をさらに成長させるための方法を経営者として模索し続けています。

そして、Cube シリーズ、すなわち、ほぼ全事業の暫定的な統括者となって以降、弊社内では引き続き協議を重ねてきましたが、最終的に全ての株式を私が取得する事で名実ともに全ての権限を私に集約し、私単独の意思決定の下で株式会社キューブ・ソフトと言う会社を再出発すると言う結論となり、本日に至ります。

今後について

私および弊社の今後についてですが、何かが大きく変わるような事はありません。最初の課題は、私が株式会社キューブ・ソフト、さらに言うと自社製品の開発にフルコミットできる環境を整える事でしたが、この課題については現状では問題なさそうです。もちろん弊社の発展のために、今後も様々な意思決定を行っていく必要があるとは思いますが、ひとまずは一歩一歩、地道に歩みを進めていこうと思います。