CubePDF Utility 2.0.0 をリリースしました。更新内容は下記の通りです。尚、2.0.1 以降の更新内容は本記事の最後に記載されています。
- 推奨環境の変更
- アプリケーション設定の追加
- Ctrl + ドラッグ&ドロップで末尾に挿入する機能を追加
- ファイル名に数字が含まれる場合の並び順を改善
- スプラッシュ画面の削除
- コンテキストメニューに関する設定
- 依存ライブラリの更新
- CubePDF Utility 2.0.1 以降の更新
推奨環境の変更
CubePDF Utility は、Microsoft から提供されている .NET Framework と言うフレームワークを利用して実現しています。これまで .NET Framework の推奨バージョンは 4.5.2 以降(動作可能バージョンは 3.5 以降)となっておりましたが、CubePDF Utility 2.0.0 からは、これが .NET Framework 4.7 以降 に変更されます。この変更に関する背景等については、下記を参照下さい。
.NET Framework 4.5~4.6.2 がインストールされている環境では、.NET Framework 3.5 向けの実行ファイルがインストールされた後、それを互換モードで実行する形になります。そのため、これらの環境でも利用する事はできますが、細かな挙動で違いが生まれる可能性があります。例えば、CubePDF Utility が PDF ファイルを編集するために利用している iText と言うライブラリは、最新版 (iText7) では .NET Framework 3.5 をサポートしていないため、旧バージョン (iTextSharp) を利用しています。
このような事情もあるため、可能な限り .NET Framework 4.7 以降に更新してのご利用をお願いします(ほとんどの環境においては、既に Windows Update によって自動的に置き換わっていると予想されますので、その場合は特別な対応は必要ありません)。尚、CubePDF Utility は、インストール時に .NET Framework のバージョンに応じてコピーするファイルを切り替えています。そのため、.NET Framework を更新した場合は、再度 CubePDF Utility の上書きインストールを実行して下さい。
アプリケーション設定の追加
CubePDF Utility 2.0.0 では、アプリケーションに対する設定画面、およびいくつかの設定項目が追加されました。
重複リソースを削除してファイルサイズを削減する
この項目を有効にすると、複数の PDF ファイルを結合する際にフォント情報などのリソースが重複する場合、できるだけ重複部分を削除してファイルサイズを削減するよう試みます。現在、この機能を有効にした場合、一部の注釈等において保存前と異なる見た目になる事例が報告されています。そのような現象に遭遇した時には、この項目を無効にする事も検討して下さい。それ以外の場合、基本的には初期設定(有効)のままで問題ありません。
結合元 PDF ファイルのしおり情報を維持する
この項目を有効にすると、結合元のそれぞれのしおり情報も結合した上で最終的な PDF ファイルを生成します。現在、CubePDF Utility および CubePDF Page において、PDF ファイルの結合に失敗する事例がいくつか報告されていますが、それらの多くはしおり情報が原因になっているようです。そのような現象に遭遇した時には、この項目を無効にする事も検討して下さい。それ以外の場合、基本的には初期設定(有効)のままで問題ありません。
バックアップ機能
CubePDF Utility では、万が一の際の緊急回避の目的で、上書き保存する前に元の PDF ファイルのバックアップを一定期間保持しています。しかし、PDF ファイルのコピーが自動的にローカルストレージに残ってしまう挙動が問題になる事もある等の理由で改善の要望をいくつか頂いていました。
CubePDF Utility 2.0.0 では、該当機能の有効・無効をユーザーが選択できるための設定項目を追加しました。また、バックアップ機能有効時に、バックアップを保存するフォルダーも併せて設定可能としております。
尚、バックアップ機能を無効にした場合、それまでにバックアップとして保存した PDF ファイルはそのままとなります。以前の PDF ファイルも含めて全て削除したい場合、お手数ですが バックアップ に表示されているフォルダーの中身を手動で削除頂くようお願いいたします。
作業フォルダー
CubePDF Utility が結合・分割処理を実行する際に、一時ファイル等を作成するフォルダーを指定します。CubePDF Utility は、初期設定では開いた PDF ファイルの存在するフォルダーを作業フォルダーとしても利用しますが、保存先フォルダーがネットワークに接続された別の端末である場合、処理速度が著しく低下する可能性があります。このような場合には、あらかじめ作業フォルダーを決めておく事によって、そのような現象を回避できます。尚、初期設定のままで問題ない場合、この項目は空欄にして下さい。
最近開いたファイルを表示する
CubePDF Utility は、起動時にユーザーが最近開いた PDF ファイルの一覧を表示しています。しかし、PDF ファイルの一覧を表示したくないと言うご要望もいくつか頂いておりました。
該当の機能は、Windows の 最近使用したファイル の情報を利用しているため、これまでのバージョンにおいても Windows 側の該当機能を無効にする事で非表示にする事は可能でした。その上で、CubePDF Utility 2.0.0 では、Windows 側の機能が有効な場合でも CubePDF Utility 側では非表示にできるように設定項目を追加しました。
尚、CubePDF Utility メイン画面の 最近開いたファイル の文字列部分はクリック可能となっており、該当部分をクリックすると、Windows 側の 最近使用したファイル が保存されているフォルダーが開くようになっています。
Ctrl + ドラッグ&ドロップで末尾に挿入する機能を追加
これまで、CubePDF Utility のメイン画面に PDF ファイルをドラッグ&ドロップした場合、まだ PDF ファイルを開いていない場合は該当ウィンドウで、既に PDF ファイルを開いている場合は新規ウィンドウで開く挙動となっていました。
これに加えて CubePDF Utility 2.0.0 では、既に PDF ファイルが開いている状態で、Ctrl キーを押しながら PDF または画像ファイルをドラッグ&ドロップした場合、それらのファイルを末尾に挿入するように修正しました。
ファイル名に数字が含まれる場合の並び順を改善
主に 挿入 機能において、複数のファイルを一括してドラッグ&ドロップした場合の挙動を CubePDF Page 4.0.0 と同様に変更しました。詳細については、CubePDF Page 4.0.0 or later も参照下さい。
スプラッシュ画面の削除
CubePDF Utility ではこれまで、起動時にスプラッシュ画面を表示していました。これは、詳細な再現条件は不明ですが、開発初期において初回起動時(コールドスタート)に異常に時間がかかる現象が何度か確認されており、その現象に遭遇したユーザーに起動中である事を明示する意図で導入されたものでした。
しかし、システムドライブが HDD から SSD に置き換わってきた事を始めとして、近年の性能改善により、開発当初に問題視していた現象は許容範囲内に収まりつつあります。一方で、CubePDF Utility では スプラッシュ画面を可能な限り早く表示する と言う課題を解決するために、スプラッシュ画面専用のプログラムを実行後に改めてメインプログラムを実行すると言う手順を経ている都合、プログラムを 2 回実行するデメリットの方が大きくなっていました。
そこで、CubePDF Utility 2.0.0 ではスプラッシュ画面を削除する事としました。
コンテキストメニューに関する設定
CubePDF Utility は、インストール時に PDF ファイルのコンテキストメニューに対して CubePDF Utility で開く と言うメニューを表示するための設定をレジストリに追加しています。しかし、レジストリの該当項目が複雑化してきた都合で、正常に表示されない等、いくつかの問題が報告されています。
該当機能の根本的な改善に関しては、今後のバージョンアップで検討していく予定ですが、取り急ぎ CubePDF Utility 2.0.0 からは、インストール時に該当機能の有効・無効を選択できるように修正しました。
依存ライブラリの更新
CubePDF Utility 2.0.0 では、PDF 編集に利用しているライブラリ iText を最新バージョンである 7.2.2 に更新しました(尚、前述した通り、.NET Framework 3.5 向けには iTextSharp の最新バージョンである 5.5.13.3 が利用されています)。また、PDF のサムネイル画像を生成するために利用しているライブラリ PDFium を Chromium 102 相当に更新しました。
CubePDF Utility 2.0.1 以降の更新
CubePDF Utility 2.0.1 以降の更新内容は下記の通りです。CubePDF Utility をご利用のユーザーは、ダウンロード用ページ より最新版インストーラーをダウンロード後、上書きインストールによる更新をお願いします。また、ソースコードは GitHub 上の弊社リポジトリ で参照・取得する事ができます。
2.4.1 (2023-07-19)
- PDFium を Google Chrome 115 相当に更新
2.4.0 (2023-06-15)
- 作業フォルダーの初期設定をシステムの規定値に変更
- iText を 8.0.0 に更新
- PDFium を Google Chrome 114 相当に更新
- 内部処理を改善
2.3.0 (2023-05-10)
- PDFium を Google Chrome 113 相当に更新
- 内部処理を改善
2.2.2 (2023-04-07)
- PDFium を Google Chrome 112 相当に更新
2.2.1 (2023-03-08)
- PDFium を Google Chrome 111 相当に更新
2.2.0 (2023-02-08)
- 表示言語にドイツ語を追加 (Thanks Roy)
- GUI のレイアウトを調整
- PDFium を Google Chrome 110 相当に更新
- iText7 を 7.2.5 に更新
2.1.1 (2023-01-11)
- PDFium を Google Chrome 109 相当に更新
2.1.0 (2022-12-01)
- PDFium を Google Chrome 108 相当に更新
- iText7 を 7.2.4 に更新
- 内部処理を改善 (CubePDF 3.0 のコードベースを適用)
2.0.5 (2022-11-01)
- PDFium を Google Chrome 107 相当に更新
2.0.4 (2022-09-30)
- PDFium を Google Chrome 106 相当に更新
2.0.3 (2022-08-31)
- PDFium を Google Chrome 105 相当に更新
2.0.2 (2022-08-04)
- PDFium を Google Chrome 104 相当に更新
- iText7 を 7.2.3 に更新
2.0.1 (2022-06-23)
- PDFium を Google Chrome 103 相当に更新
- 詳細を設定して挿入 画面で指定した順序で PDF ファイルが挿入されない不具合を修正