ユーザの期待度を下げることで成功した Twitter

j1nn.com より.ここ数日 Twitter 関連の話題が続いてますが.

Twitter の成功要因は,「多数の Web API が公開されている為ちょっと弄るだけでそれっぽいものが作れるから」とか,Web 上においては失敗続きだった企業の「世界的ですもんね 乗るしかない このビッグウエーブに」と言う思惑とかいろいろあると思いますが,個人的には「ユーザの期待度を下げることに成功したから」と言うものが要因として大きいのでは,と思っています.

Twitter は,「ゆるい繋がり」と言うフレーズや「取り合えずフォローしまくって,フォローした相手の言動を(目に入った分だけ)適当に追う」と言う使い方指南などからも分かるように,ユーザに対して「適当に使う」事を推奨(?)してきました.これらの活動を通じて Twitter は,ユーザに「ずっと使い続けてればたまには良い事あるかもね」程度の期待感しか抱かせることなく利用させることに成功しました.

作品が面白いか否かは、作品そのものにもよる。しかし、「期待している状態」と「現実の状態」のギャップの差が大きいほど、面白い作品である場合が多いと思う。レンタルショップで何気なく借りた映画や、何気なく手にとった本がやけに面白かったりするのは、そのためである。期待していないから、実際に良い作品だった場合の期待と現実のギャップは大きく、面白いと感じる。逆に期待した作品ほど、つまらなく感じることも多いだろう。
・・・(中略)・・・
面白い・面白くない、という判断が、作品そのものの出来や個人の好みではなく、個人が抱く期待にあるところがポイントである。

面白い作品を薦めることは難しい - Simple -憂鬱なプログラマのオブジェクト指向な日々-

Web 上で提供されるサービスの多くは,光る何かはあるけれども全体的な完成度としては決して高い訳ではない,と言うものも多いように感じます.こう言った類のサービスを宣伝する際には,あまりユーザに高い期待感を抱かせることなく利用させるように仕向ける必要があります.ユーザが高い期待感を抱いたままサービスを利用し始めてしまうと,肝心の「光る何か」に気づく前に全体的な粗にばかり目が行ってしまい失望する,と言う結果を招きかねません.

しかも、昔あったWebチャットのような体をとりながら、それにすら全然及んでいない。明らかにコミュニケーションツールとしての欠陥がいくつも存在している。
・・・(中略)・・・
Twitterセカンドライフと同じサービスと考えて良い、あまりにやることがなく、無理矢理目的を見つけて、話題を絞りだす事になる。

j1nn.com

この点において,「適当なサービス」とも取れるような態度を強調してユーザに多くの期待を抱かせないように努めた(かどうかは知りませんが) Twitter は,一部の企業が煽りに煽りまくって期待度(ハードル)をいたずらに引き上げた結果,自滅してしてしまったセカンドライフとは対照的に映ります.

最近は,Twitter が世界的に流行していることもあってか様々なメディアが Twitter を取り上げるようになりました.これらの(既存)メディアは,良く言うと「大々的な宣伝」,悪く言うと「誇大宣伝」が得意です.しかし,先にも述べたように,Web サービスの多くはそういった「大々的な宣伝」に耐えられるような完成度を持ってはいません.そのため,これからは上記の記事のような「大きな期待感を抱いて乗り込んできて,そして失望した」と言うようなユーザももっと増えてくるのだろうな,と思います.

もし,他人に Twitter を勧めるとしたら,「あってもなくてもどうでも良いんだけど,使い続けてるとたまに良いことがある,かもね」位が良いのかなぁと思いました.

Twitter 衆愚化論は思ったより早く叫ばれるようになるかもしれない

広瀬香美が『Twitter』を「ヒウィッヒヒー」と命名! ネットで大批判を受ける | ガジェット通信 GetNews より.釣りタイトルかなと思ったら普通に批判していたので少し驚きました.ねとらぼ:広瀬香美さん「Twitterはヒウィッヒヒー」 一夜で流行語に - ITmedia NEWS 辺りの記事(のタイトル)のせいもあるのでしょうか.

私は,自分のタイムライン(TL)上でたまたまこの一連のやり取りを眺めていたのですが,このときに TL から伝わってきたものは,かつて自分がネットゲームをプレイしたての頃に感じていた高揚感のようなものでした.Twitter は非同期とは言え,かなりチャットに近い性質を持っています.そのため,その場にいる(知らない人と)何らかの話題を共有していると言う一体感も手伝って,ちょっとした一言からどんどんヒートアップしていきます.

しかし,この類の発言はそれ(発言)だけでは,その場に居合わせた人達が感じていた面白さは伝わりません.

あれ?すごく面白かったんだけどなぁ。。。。。
酒の席での話は後日書いてもあんまりおもしろくない、わかるか?この意味。。。。

http://d.hatena.ne.jp/wakamura_you/20070620/1182320821

・・・(中略)・・・
これは恐らく,面白い/面白くない,が話の内容だけでは決まらないからだろうと思います.私達は,一連のやり取りの中で(最も)面白くて盛り上がった部分だけを切り取って後の話のネタにします(上記の例だと,タコヤキに関するやり取り).しかし,それが面白いと感じるかどうかは,話の内容も重要ですがそれ以上に,その話題にたどり着くまでのプロセスや話に関わっている人の状態が大きく関わってきます.それ故,そのプロセスを共有できていない人に話すと,その内容がどんなに面白かったとしても,その面白さは半減してしまいます.

話の面白さ=内容+タイミング - Life like a clown

先の発言も発言自身と言うよりは,一連のやり取り,夜中と言う時間帯,話題の渦中にいる人が有名人,と言ったように様々な要素がかけ合わせってあの熱気(面白さ)が生まれました.そのため,現場に居合わせなかった人たちに,発言だけ切り取って紹介したとしても「何が面白いのか分らない」と感じるのは当然だろうなと思います.

Twitter の外で叫ばれる Twitter 衆愚化論

ここ数日,勝間和代さん(kazuyo_k),広瀬香美さん(kohmi)がかなり活発に発言しているせいもあり,(お二方をフォローしている人達の周りだけでしょうがそれでも)Twitter にかなり熱気が漂っています.この熱気のある TL を眺めながら,「そろそろ Twitter 衆愚化論が叫ばれるようになるかもなぁ」と感じていました.ただ,当初は,見たい人(フォローしている人)の発言だけを見ていられると言う Twitter の性質上,そう言う事は起こらないのではないかと結論付けていました.

twitter 衆愚化論てのは,確かにちょっとだけ頭の中をよぎったが,現状の BOT ほいほい状態でも何かうまく回ってるところを見ると,大した変化はないのではないだろうか.

http://twitter.com/tt_clown/status/2762678797

しかし,広瀬香美が『Twitter』を「ヒウィッヒヒー」と命名! ネットで大批判を受ける | ガジェット通信 GetNews と言ったような記事を見ていると,Twitter 衆愚化論が叫ばれるのはむしろ Twitter の外側で,なのだろうと思います.特に有名人の発言は,その場に留まらず様々な場所で紹介されてしまいます.これが,単一の発言で完結している場合なら良いですが,先にも述べたように Twitter の性質上「発言自体よりも一連の流れが大切」と言う発言も数多く存在します.そのため,後者に属する発言が紹介され続けると「実際に参加していた人達」と「それ以外の人達」の間の温度差が大きくなっていきます.その結果として,「それ以外の人達」の中から「もうだめだ! Twitter は死んだ! Twitter 衆愚化論! Twitter 衆愚化論!」が噴出するのは時間の問題かもなぁと感じました.

終わったのは個人ニュースサイトではなく全人力と言うスタンス

より.私は,「個人ニュースサイト」と呼ばれる Web サイトとは非常に関わりが薄いので的外れかもしれませんが.

私は,以前に Ragnarok ONLINE と言う MMORPG のゲーム内に存在するアイテムの市場相場を調査して公開していたことがありました.もうバックアップしか残ってませんが,これ.この市場相場の調査&公開は,何も考えずに軽い気持ちで始めたこともあり,当初は全て人力で調べていました.ゲーム内で開かれている露天を1軒1軒歩いて回り,露天で売られているアイテムの値段をメモし,異常な値だなと感じたものを除外し,html にまとめて公開,と.それでも,調査当初はゲーム内に存在するアイテムの種類が少なかったこともあり,1日1時間程度で更新可能な作業量でした.

しかし,MMORPG と言うゲームの性質上,ゲーム内には新しいアイテムがどんどん追加されていきます.それにともなって,調査しなければならない量も線形的に増加し,より多くの時間を更新作業に割かれるようになります.ここで所謂「消化不良」が発生し,今までのスタンス(全てを人力で済ませる)では続けていくことができなくなりました.そこで,自然と「部分的に自動化する」と言う選択肢が浮かび上がります.上記の例では,「露天で売られているアイテムの値段をメモする作業」と「データから html(正確には xml でしたが)を生成する作業」を自動化しました.

このように,処理しなければならない量が増えるにつれて,「部分的に自動化する」作業は不可避となってきます.ここで重要なのは,あくまで「部分的に」と言う点です.

「量より質」で対抗するために

私の思考が比較的アナログなせいもありますが,個人的には,最終的な出力に「部分的に人の(恣意的な)判断を含める」方が全自動で生成する出力よりも質が高いと言う事はしばしば起こり得る,と思っています.これは,全体的な質の向上と言うよりはある部分に特化させる,と言った方が良いかもしれません.

例えば,はてなブックマークのホットエントリよりもお気に入りのブックマーカーのブックマークエントリの方が(お気に入りに登録している人にとっては)質が高いと感じるようなものでしょうか.全自動で生成されるものは,そこに関わっている全ての人の最大公約数的なものになるのでどうしても「無難な」ものになってしまいます.この「無難な」ものに対して,各人が何かしらの「色付け」をしたもの(埋もれた特色のある記事の選出,カテゴライズ,示唆に富んだコメントなど)は,その「色」にマッチした人にとっては,先の「無難な」もにに比べて非常に魅力的なものに感じるようになります.

ソーシャルブックマークの場合もある一定数のブクマを集めたものが注目されやすいようになりますが、必ずしもブクマの数と他の誰かにとっての読む価値とは比例しません。たとえばあまりに限定的、専門的なジャンルの話題で、1000人中10人くらいにしか注目をされないけど、その10人のほとんどが「これはすごい」とタグをつけたくなるような情報だって埋もれている可能性はあります。大勢には評価されないけど、とある個人にとってはとてつもなく価値のある情報だって多く埋もれています。

個人ニュースサイトは何故RSSやSBMが伸びても利用され続けるのか - 空気を読まない中杜カズサ

しかし,全てを人力で行おうとした場合,処理できる量はたかが知れています.そのため,「全人力」で「全自動なシステム」に対抗しようとすると,よほど嗅覚が鋭いかコメントセンスの良い人以外は,「色付け」などで差別化を行う以前に「絶対的な処理量」で押し切られてしまいます*1.システムは,「質より量」で攻めるのは得意です.

http://d.hatena.ne.jp/DCasakura/20090716/p1 によると,個人ニュースサイトの管理人が1日に処理できる記事量(巡回できる Web サイト数)は 100 〜 200 件だそうです.そうであるならば,個人ニュースサイトは既に終わったジャンル で挙げられていた SBM(例えば,はてなブックマークのホットエントリ)や pixiv (のランキング)などの「自動的に生成される」コンテンツに対抗するには,巡回する前に「1,000 件(あるいは 10,000 件かもしれませんが)の中から人力で巡回すべき 100 件を選ぶ作業を自動化すること」なのだろうと思います.この自動化の方法自体もかなり検討の余地がありますが*2,この部分自動化をうまく実現することができれば,きっと「全自動なシステム」に対抗し得る素晴らしい個人ニュースサイトを作ることができるのではないかな,と期待しています.

*1:例えば,「全自動なシステム」が生成するコンテンツは確かに偏ることはあるが,「絶対的な処理量の不足した人力」で生成されたコンテンツはそれ以上に偏っている,のような感じで.

*2:例えば,単純に「はてなブックマークの今日のホットエントリの被ブクマ数上位 100 件,とかにするとあまり良い結果(巡回すべき Web サイトリスト)は得られない,など

ページビュー (PV) と対立する価値観

こういうことを書くと、ブログの成功は人それぞれだから、お山の大将でいいじゃないか的な口上を垂れるバカが決まって沸くが、読まれないブログに何か【対外的な】*2価値があると思っているなら大間違いだ。書いた記事が読まれなくては、コミュニケーションがそもそも成立しない。成功の定義のようなご立派なことは、それなりの読者数を実現してから述べていただきたいものだ。

オンラインのコミュニティは新しい社会か - よそ行きの妄想

Web サイトが成功しているかどうかを測る指標の一つとして,ページビュー (PV) は依然として大きなウェイトを占めています.一方で,(最近は RSS 購読者数,被ブックマーク数などそれ以外の指標も台頭して来たのでそうでもないですが)PV ばかりを追い求める PV 至上主義へのアンチテーゼとして,「PV だけが全てではない.PV 以外の価値観があるはず」と言った類の主張も数多く見かけます.ただ,「〜だけが全てではない」だけだと何も言ってないに等しいので,今回は PV と対立する価値観を思いついた順に列挙してみようと思います*1

そもそも誰にも見て欲しくない

所謂「ちらしの裏(チラ裏)」として完全に自分の備忘録のためだけに blog を利用している場合などがこれに当たるでしょうか.これについては根本からの価値観対立なので,どうしようもない気はします.

少数のユーザと親しくしたい

mixi 日記を書いているユーザに多い価値観でしょうか.mixi 日記などは基本的には(mixi ニュースを引用したりしない限り)知り合い以外は閲覧しないため,PV として見るとかなり少ないですが,それでも当事者達はそこそこ満足して更新しているような気がします.

ここの価値観カテゴリーに属するユーザは,読み逃げ問題などの例からも分かるように,「何人と付き合うか (PV)」よりも「個々のユーザとどれだけ深く付き合うか」の方への興味が強いと言う印象があります.そのため,PV に関してはせいぜい 2 桁(10 〜 100 程度?)を達成すれば良いと言う感じでしょうか.

マイペースで続けたい

ここで言うペースは更新頻度を指します.安定して PV を稼ぐためにはそれなりの頻度で更新し続けることも重要な事項のようです.

60%以上のブロガーは週に1回以上更新をしている。
ほぼ毎日更新しているを見ると、1日の平均アクセス数が500以上のブログでは、63.3%。
これに対し、500以下のブログでは、18.7%。

http://www.imi.ne.jp/blogs/research/2008/05/080521blog.html

しかし,blog を続けるうちに「書くことがない」と言う状況になる事も多々存在します.また,現実での仕事の忙しさなどの理由で更新を休んでいるうちに更新する事が面倒になる事もあります.こういったときに,それでも何かしらの更新を続けていくか,自分が書きたいと思ったときにしか書かないかで価値観の対立が起こっていそうです.

宣伝行為は行いたくない

この辺りから,自分自身もしばしば悩む価値観との対立になってきます.

(特に,無名な頃は)PV を稼ぐためにはある程度の宣伝活動も必要となってきます.様々なランキングサイトに参加したり,参加したランキングサイトのランキングを少しでも上げるために記事の中やサイドバーにバナーを貼りつけるなど.例えば,(宣伝の仕方や継続的な効果が見込めるかどうかなどの疑問点はありますが)以下のように宣伝行為の有無が PV にそれなりの影響を与えたと言う結果もあります.

さて、となると“呼び掛け”とは関係無く、更新報告などに拠ってリンクを跳んで来た人数が先週と同じ42人だと仮定すれば、“呼び掛け”に応じてリンクを跳んで来てくれた人数は、延べ68人だと考えられます。先週比にすると約2.6倍で、かなりの効果が有った事になります。

ページ移転のお知らせ

一方で,blog で積極的にランキングサイトへ誘導するようなバナーを設置するなどの行為は(観測範囲にも強く依存しそうですが)嫌われる風潮もあるように感じます.PV と読者の印象のどっちを取るかと言うのは,少なからぬブロガーにとっての価値観の対立になっているのではと思います.

書きたい事を書きたい

ほとんどのブロガーは,(最初は)書きたい事があったから blog を書き始めたのだろうと思います.しかし,よっぽどの文才や専門知識,運のある人以外は,PV を稼ぐためには書きたい事だけを書いていれば良いと言うものではない事に,いずれ気が付いていくだろうと思います.

そこで,(主張自体は曲げないとしても)少しは読者の注意を引くような記事を書こうか,と言う誘惑に駆られます. ホッテントリメーカー ではないですが,刺激的なタイトルを付けて読者に取りあえずクリックさせる,突っ込まずにはいられないような主張を書いてブックマークを誘う,など.

しかし,これも度が過ぎると,読者へ自分に対する望ましくない印象を植え付けることになります(釣り師など).ここで,どちらを取るのかと言う価値観対立が発生するのだろうと思います.

全体的に見ると,「どれだけの多くの読者に読んでもらうか (≒ PV)」と「読者にどのような印象を抱かれるか」と言う価値観の対立になる場合が多いのかなと言う気がします.結局はバランスの問題なのでしょうが,このバランス感覚がなかなか難しいところです.

*1:順次,追加するかもしれません.

ブックマークコメントとブログ記事の比較

何故はてなブックマークには「アフォ」なコメントが多いのか? - Life like a clown は,自分が想像していた以上にショッキングなタイトルだったようで,1ミリくらい反省.

さて,今回は前回では触れなかった「他(ブログ記事)と比較してどうなのか」について検討して,この話題を終わろうと思います.

私が考える「ここから先は罵詈雑言」とする閾値が高すぎるのでしょうか、はてなブックマーク上での罵詈雑言が、ブログ上でのそれと比較して、そんなに多いとはどうしても思えません。

いや、むしろブログ上で行われている「他者に対する罵詈雑言」の方が多い気がします。

「アフォコメント」が多いのは、はてブよりも、むしろ個人のウェブサイト:ekken

これも調査した訳ではないので主観になりますが,ブックマークコメント上で行われる罵詈雑言とブログ上で行われる罵詈雑言の絶対数,頻度などを比較した場合,恐らく後者の方が多いのだろうと思います.では,なぜブックマークコメント上で行われる罵詈雑言の方が問題として提起されやすいのでしょうか?

査読システムとしての SBM,ニュースサイト

「いや、そんなことは無い、はてなブコメには確実にアフォコメントが多い!」という人がいるのであれば、その人は巡回先をはてなブックマークに頼りすぎているのではないかな。

「アフォコメント」が多いのは、はてブよりも、むしろ個人のウェブサイト:ekken

多くのオーディエンス(観客)は,ブログ検索システム (e.g., Google , http://blog-search.yahoo.co.jp/ )などを駆使して自らが能動的に(貪欲に)新しい(良い)記事を探したりはせずに,ニュースサイトやはてなブックマーク注目のエントリーなど他者(含システム)から推薦された記事群の中から読みたい(良い,面白い,趣向が近い,etc)記事を探します.

私は VIP 板のスレッドを直接に見たことがほとんどない。面白いところだけまとめたサイトを見る方が効率がいいので。というか、まとめサイトさえ基本的には見てなくて、はてなブックマークや迎賓館裏口で紹介されたものしか読んでない。

あまり理解されていないことだけれども、マスコミ報道の過半は情報の集約・整理・取捨選択によるもの。ウェブでは何かというと「一次情報に当たれ」といわれるし、私もそう書いてはきたのだけれども、現実問題、そんなことは不可能だというところに中間情報産業の存在意義がある。

中間情報産業への無理解

そして,ニュースサイトやはてなブックマーク注目のエントリーには,他人に対して罵詈雑言だけを行っている記事などの所謂「アフォ」な記事は掲載されません(たまに上がってきますが).すなわち,Web 上においてはそれらが査読(編集,フィルタ)的な役割を担っており,その結果,末端のオーディエンスには「アフォ」な記事は隠ぺいされます.

一方,ブックマークコメントにはその類の査読システムが存在しないので,全てのコメントがオーディエンス(ここでは,ブックマークコメントを閲覧する人)に届けられます.この結果,オーディエンスは「ブックマークコメントの方が「アフォ」なものが多い」と言う印象を抱きがちになります.

後だしジャンケン

ブックマークコメントの方がひどいと言う印象が強くなる(または,ブックマークコメントがひどいと言う印象を持つ人が多くなる)もう一つの要因としては,コメントがアクセス数の多いページ内に後だし的に,直接,追加されるからと言うものがあるように思います.

ホットエントリとして掲載された記事のブックマーク・エントリーページには通常よりも多くのアクセスが集まるようになります.ブックマークされた記事の内容にも強く依存しますが,アクセスが多くなるとそのページをブックマークしてコメントをする人も増えるので,そのページで閲覧できるコメント数が加速的に増加します.その中には所謂「アフォ」なコメントも含まれるので,結果として,多くのアクセスを集める事が確定したページに対して「アフォ」なコメントが(誰の査読もなしに)後だし的に追加されていきます.

この点において似たような状況になっているものとして,mixi ニュースに関する日記があります.mixi ニュースも(特にトップページに載ると)多くのアクセスが集まります.そして,多くのアクセスを集める事が確定したページに対して個々の日記が(査読なしに)後だし的に追加されるため,その中に含まれる「アフォ」な日記が多くの人の目に晒されるようになり,結果として「mixi のニュースに関する日記はアフォなものばかりだ」のような印象が強くなっていきます(印象を持つ人が多くなっていく)*1

これに関しては,よく見かける「エントリーページでコメントが一覧できるから」と言う指摘に近いかなと思います(「悪い」かどうかは分からない).

オチ

ブログの記事に比べてブックマークコメントの方が「アフォ」なものが多いと言う印象を抱きがちになる要因として,ブックマークコメントは「他者の査読なしに後だし的に追加されていくから」と言う理由を挙げました.これに対する対処法の一つとして「さらに後だし的に査読(評価)するようなシステムを作れば良い」と言うものが考えられます.

・・・

具体的にはdigg型、youtube型のコメントに対する評価機能をつけるべき。

はてブはYouTubeのようにコメントに対するマイナスの評価軸を取り入れるべき - Cheshire Life

結局,ネガティブ・レコメンデーション - Life like a clown で最初に引用した記事に戻ってきてしまいました.そんな訳でオチは,「無限ループって怖いよね」.

*1:もっとも,mixi ニュースは実際に個々の日記を読むためにワンクッション設けてありますが.

何故はてなブックマークには「アフォ」なコメントが多いのか?

突然,いろいろな事が頭の中に浮かんできたので,はてなブックマークの(ネガティブ)コメント問題についての現状での主観をメモしておきます.

匿名と仮名

本題に入る前に.

blog や BBS への書き込みなどにおいては,仮名(ハンドル,HN)が罵詈雑言の抑止力になると言う指摘があります.例え HN であっても中長期的に使用していると,その HN に価値が生まれます.そのため,その HN を汚さないようにある程度の注意は払うようになり,結果としてそれが罵詈や中傷を抑制すると言うものです.

たとえ実名に紐付けられてなくても、いつも使っているHNはネット上で実名と同じ機能を果たす。趣味などを通じてAさんが築いたコミュニティとAさんは、HNで結び付けられている。

罵詈雑言を書いたせいでHNが穢れてしまえば、Aさんはかけがえのない自分のコミュニティを失う危険性がある。これはリッパに抑止力になるだろう。

「世間体を気にする」といえば、なんだか形だけの体裁にこだわる形式主義みたいで評判がよくない。だが実はもっと深い意味がある。世間を考えれば人は行動を律するようになる。他人に迷惑はかけないし、いい評価を得ようと努力もする。

匿名の心理、実名の心理~暴言の抑止力になるものは? - すちゃらかな日常 松岡美樹

しかし,はてなブックマークでのコメントに関しては ID (≒HN) が割り振られているにも関わらず,blog などと比較して罵詈雑言が多くなる傾向にあります(多いように感じる).これは,何故でしょうか?

王様の耳はロバの耳

はてなブックマークのコメントに関する批判記事が出ると,しばしば「コメントは自分のため(感想,メモ,etc)に書いているのであって,他の誰かのために書いている訳ではない」と言う反論が見られます.個人的には,この反論は正しく,だからこそ罵詈雑言が増えるのではないかなぁと感じています.

ここでは はてなブックマーカー達=観客として喩えてみます
・・・(中略)・・・
観客は、フィールドの人間に対して意見をしているわけでなく、感想を述べているだけ。相手に声は届くかもしれませんが、聞き取れないかもしれません、またそうした意見が役に立つかもしれませんが、役立たないこともあるでしょう。

観客というのは気ままなもので、フィールドにいる人間に対して無責任に厳しいこと言ったりするものです。

歓声としてのはてなブックマーク - 聴く耳を持たない(片方しか)

はてなブックマークのコメントは,「オーディエンス(観客)の感想」と言う性質が強いように思います.はてなブックマークでコメントを書く多くのユーザは「テレビや新聞の感想を居酒屋(井戸端)で仲間内でしゃべる(愚痴る)」程度の気軽さで読んだ記事に対するコメントを書きます(書いているのだと思う).だからこそ,ブックマークのコメントは E-mail による感想や blog のコメント,TB などに比べてはるかに反響を得やすい手段となりました.

しかし,その気軽さ故に,はてなブックマークでコメントを書くユーザには「Web 上で意見(批判)を表明している」と言う自覚が欠落すると言う問題(?)が発生します.もちろん,(公開設定にしているユーザは)自分のコメントが誰でも閲覧可能であると言う事実は認識していますが,それが何を意味しているかについて多くのユーザはあまり深くは考えていません.

「荒らし」の自覚がない人は、書き込んだコメントによって自分が恥をかくなんて事は考えていないのです。

自覚のない荒らしにとって「黒木ルール」は全く非力です:ekken

上記の状況とは少し異なりますが,はてなブックマークでコメントを書いているユーザは,そもそも自分が意見を表明しているという自覚がないため,「読んだ記事の感想を叫んでみたら井戸 (Web) を通じて全世界に広まってしまった」のような状態になってしまっているのではないかなと思います.

これをどうするかは難しい問題です.仮に,はてなブックマークでコメントを書くユーザに「Web 上で意見を表明している」と言う自覚が強くなったとしたら,恐らくそのユーザ達が次に取る行動は「沈黙する」でしょう(多くの blog コメント欄の閑古鳥状態と同じ道を辿る).

オーディエンスは面倒なことを避けたがる。これは自然なことだ。メールでわざわざ反応を示すなんてことはしない。その瞬間、オーディエンスと同時にパフォーマーにもなるので、社会的には状況が複雑になるだけだ。多くの人は沈黙を守る。<沈黙のオーディエンス>は必ず存在するし、それを悪いとは思わない。

沈黙のオーディエンス

「見られる立場」にはブックマーカーたちは好んで進んできたりはしません。なぜなら観客であることに満足し、外野からわいわいとやるのが好きだからです。そうして、いざ反論されれば「なぜそんなに自意識過剰に反論するのだ」と自らが、自意識過剰に反論するわけです。

歓声としてのはてなブックマーク - 聴く耳を持たない(片方しか)

個人的には,blog 主(ブックマークされた側)としては,ユーザの反響は(馬鹿だなぁと感じるものも含めて)できるだけ知りたいと思っているので現在の状況で良いと言う立場ですが,そんなものは見たくないと言う人達が数多く存在するのも事実なので,落としどころがどこなのか(どこを目指せば良いのか)は・・・そして対策へ

非アクティブなブログへの広告

ふと,最近よく見かけるようになった非アクティブなブログ(30〜90日間更新のないブログ)への広告挿入が気になったので,分かる範囲で調べてみました.

FC2 Blog

(2007年)10月22日より、一ヶ月以上更新をされていないブログサイトへ広告を表示させていただきます。一ヶ月以内に更新されているサイトには表示されません。表示された場合、新規投稿していただければ、すぐに削除されます。

ブログ管理者用お知らせ 非アクティブサイトに関しまして
BIGLOBE ウェブリブログ

BIGLOBEサービス会員用ウェブリブログでは、30日以内に記事を書いている場合に、AdSense表示を消すことが可能です。

引用者注作成日時 2009/02/26

Q:Google AdSense、Googleリンクユニット広告を非表示にしたいのですが よくある質問と答え(FAQ)/ウェブリブログ
Seesaa ブログ

最後にブログを更新した日から60日以上更新のないブログに 広告が表示される仕様追加をリリース致しました。

本仕様は、現在広告を表示しない設定になっているブログに対しても適用されますので、60日以上更新のない場合でも、広告を表示したくない方は以下の設定を行ってください。

引用者注更新日時 2009年04月30日

【Seesaaブログ】広告表示仕様追加・変更のお知らせ - Seesaaからのお知らせ
忍者ブログ

2008年11月12日より、三ヶ月以上更新がなされていない非アクティブなブログにつきましては、ブログ上部付近に広告が挿入されるようになりました。(三ヶ月以内に更新がなされている場合は表示されません。)

お知らせ|忍者ツールズ
JUGEM ブログ

JUGEMでは、「最終更新日より60日以上更新がない」場合、ブログ記事内に広告が表示されます。表示された広告は「記事の投稿」、または「記事の更新」を行っていただくことで非表示にすることが出来ます。

引用者注 開始日 2008年6月23日(月)

http://support.jugem.jp/faq2/service/s02/269

調べた限りだと,この類(非アクティブへの広告挿入)のシステムでは Seesaa ブログが一番緩いルールになっていました(広告表示の ON/OFF をユーザが設定できる).また,このシステムを最初に始めたのは FC2 ブログのようです.反響を見ていると,月 1 程度の更新頻度と言う人も結構多いようで,非アクティブかどうかの閾値が 30 日の場合だと批判が多かったように感じました.

広告収入とユーザの満足度はなかなか両立できない問題なので,できるだけユーザへ不満を抱かせない方法として,非アクティブなブログのみを(広告収入に)利用すると言うのは落としどころとしてはなかなか良いように感じたのですが,このシステムによる収入状況 & ユーザの評判はどの程度のものなのか気になるところです.

ちなみに,以下のブログサービスは,アクティブ/非アクティブ関係なく広告が挿入されます.これを見ると,非アクティブのみ広告挿入と言う処置は,ユーザ視点から見ると,まだまだ使いやすい方だなぁと感じます.

ネガティブ・レコメンデーション

不快なコンテンツを自動的に隠して欲しいと言う要求

「いや、そうじゃねえだろ」と思うものが多くて、見る度に非表示にしているけれども、もうそろそろ限界が来たので、こんなアホみたいなことは技術力によって解決するべきだし、解決して欲しい。そのコメントをしているアホに直接攻撃をする機能が必要だ。

はてブはYouTubeのようにコメントに対するマイナスの評価軸を取り入れるべき - Cheshire Life

上記の記事での要求は、「手動で(自分が)不快に感じるコメントをイチイチ非表示に設定するのが面倒なので、(自分が)不快に感じるであろうコメントをシステムが自動的に非表示にしてほしい」と言うものだろうと思います。これ自体は少なからぬ人が持っている要求だと思いますし、個人的にもそういったシステムはあっても良いのではないかと考えています。

いつもおもうんだが嫌なら見るなって無理。読んでしまったそのときにはじめて嫌ってわかるんだから。どこに嫌なもの転がってるかわからん。

http://b.hatena.ne.jp/entry/http://www.misao.gr.jp/~koshian/?20071107S1

最近では、しばしば「スルー力を身につけろ」と言う主張が見られますが、いったん不快に感じてしまったものを「なかったこと」にして忘れてしまう事は思ったよりも難しく大きな(心理的な)労力を必要とします。したがって、ユーザからその類の労力を軽減させると言う意味では、その人が「不快に感じるであろう」コンテンツ(ここではコメント)をシステムが事前に隠してしまうのは一つの手段だろうと思います*1

全体には影響を与えず個別にカスタマイズ

上記の記事については、「不快なコンテンツを自動的に非表示にして欲しい」と言う要求に対して、不快に感じたコメント自体を(はてなブックマーク全体から)抹殺してしまうような対策案を提示した事が悪かったのだろうと思います。

たとえ大多数が「アホなコメント」と思うようなものであっても、少数の一部の人にとっては優れたコメントかもしれないし、coconutsfineさんの提案する機能では、一度アホコメンテーターのレッテルを貼られた人のコメントは、優れたコメントを書いてもそれが読まれることがなくなってしまうのがよろしくないと思った。

はてブのマイナス評価軸は要らんなぁ:ekken

コンテンツ(コメント)の良し悪しを評価すると言う行為は主観に依るところが大きいため、その評価が正しいかどうかを判定する事は非常に困難です。自分にとって不快なものは他のみんなにとっても不快と言う訳ではありませんし、仮にあるユーザが自分が不快に感じるコメント(群)がまったくマイナス評価をされないと言う状態が続いた場合、そのユーザの不満の矛先が今度はマイナス評価システム自体へ向けられると言う事態も考えられます。したがって、この類の(個人の快・不快などに関する)問題は全体(はてなブックマーク)でどうこうすると言うよりは、個別にカスタマイズする方向で解決策を模索する方が良いと思います。

では、どうするか。私が最初に思いついたものは、レコメンデーションのような機能でした。例えば、あるユーザのコメントを不快に感じて非表示に設定したときに、「あわせて拒否りたい」のような形で、非表示に設定したユーザと似たようなコメントを残しているユーザをリストアップするとか。ネガティブ・レコメンデーションとでも言うのでしょうか。

しかし、この機能は自分が不快に感じるであろうものをシステムがわざわざ運んで来てしまうと言う問題点を抱えています。システムが知らせさえしなければ見ることもなかったコメントを見ることによって、ユーザが(一時的とは言え)余計な不快感を募らせるシステムはあまり良いとは言えません。

いろいろと考えてみましたが、現状で現実的な提案としては「お気に入りのユーザが非表示に設定しているユーザを自動で非表示にする」と言うものかなぁと思いました。自分と主観(不快と感じるポイント)が近いユーザを探して、そのユーザにコメントを非表示にするかどうかを任せると言うものです。スイーパー(掃除人)を雇うような感覚でしょうか。

*1:もちろん、嫌なもの全てから目を逸らす事が良いとは言えませんが。

OpenXML ファイルの整形

メモ.Microsoft Office 2007 (Word, Excel, PoerPoint) から,デフォルトの保存形式 (*.docx, *.xlsx, *.pptx) で保存されたファイルは,これまでのバイナリファイルではなく OpenXML と呼ばれる XML ベースのテキストで記述されています.この OpenXML ファイルが実際にどのような構造になっているのかを確認するのは簡単で,ファイル (*.docx, *.xlsx, *.pptx) を zip 解凍ソフトで解凍すれば OK です.

Office 2007形式のファイルも、従来と同様、文書1つに1つのファイルが作成される。しかし実際には、docx、xlsxなどという独自の拡張子が付いているものの、ファイルの実体はZIP形式で複数のファイルをアーカイブしたものだ。

試しに、Word 2007で保存した「*.docx」形式の文書ファイルを1つ用意して、拡張子を「*.zip」に変更してみよう。Windows XPVistaであれば、「*.zip」形式のアーカイブを直接開くことができるので、内容の確認は容易だ。拡張子を変更したものを開いてみると、1つの.docxファイル内部に複数のXML文書と画像データが含まれていることが分かる。

Office 2007新ファイル・フォーマット対策ガイド(1/4) - @IT

Microsoft Office 製品がどのようなファイル構造を用いているのかを解析する場合,これまでのバイナリファイル (*.doc, *.xls, *.ppt) よりも OpenXML ファイル (*.docx, *.xlsx, *.pptx) を見た方が解析しやすいのですが,各 Microsoft Office 製品が吐く OpenXML ファイルには改行コードもインデントもまったく存在しないため,人間が目で追うにはちょっときつい代物です.そんな訳で,Microsoft Office 製品が吐いた OpenXML ファイルを整形するためのコードを記述しました.

#!/bin/ruby -Ku

require 'rexml/document'

class FormatOpenXML
    def initialize()
        @level = 0
    end
    
    def run(element)
        indent = "\t" * @level
        print("#{indent}<")
        print("#{element.expanded_name}")
        element.attributes.each { |key, value|
            print(" #{key}=\"#{value}\"")
        }
        
        if (element.has_elements?)
            puts(">")
            element.each_element { |child|
                @level += 1
                self.run(child)
                @level -= 1
            }
            puts("#{indent}</#{element.expanded_name}>")
        elsif (element.has_text?)
            puts(">#{element.text}</#{element.expanded_name}>")
        else
            puts(" />")
        end
    end
end

document = REXML::Document.new(File.open(ARGV[0]))
puts(document.xml_decl)
FormatOpenXML.new.run(document.root)
before
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8" standalone="yes"?>
<a:theme xmlns:a="http://schemas.openxmlformats.org/drawingml/2006/main" name="Office 
テーマ"><a:themeElements><a:clrScheme name="Office"><a:dk1><a:sysClr val="windowText" 
lastClr="000000"/></a:dk1><a:lt1><a:sysClr val="window" lastClr="FFFFFF"/></a:lt1>
<a:dk2><a:srgbClr val="1F497D"/></a:dk2><a:lt2><a:srgbClr val="EEECE1"/></a:lt2>
<a:accent1><a:srgbClr val="4F81BD"/></a:accent1><a:accent2><a:srgbClr val="C0504D"/>
</a:accent2><a:accent3><a:srgbClr val="9BBB59"/></a:accent3><a:accent4><a:srgbClr 
・・・
after
<?xml version='1.0' encoding='UTF-8' standalone='yes'?>
<a:theme name="Office テーマ" xmlns:a="http://schemas.openxmlformats.org/drawingml/2006/main">
	<a:themeElements>
		<a:clrScheme name="Office">
			<a:dk1>
				<a:sysClr val="windowText" lastClr="000000" />
			</a:dk1>
			<a:lt1>
				<a:sysClr val="window" lastClr="FFFFFF" />
			</a:lt1>
			<a:dk2>
				<a:srgbClr val="1F497D" />
			</a:dk2>
			<a:lt2>
				<a:srgbClr val="EEECE1" />
			</a:lt2>
			<a:accent1>
				<a:srgbClr val="4F81BD" />
			</a:accent1>
			<a:accent2>
				<a:srgbClr val="C0504D" />
			</a:accent2>
			<a:accent3>
				<a:srgbClr val="9BBB59" />
			</a:accent3>
			<a:accent4>
				<a:srgbClr val="8064A2" />
			</a:accent4>
・・・

ブックマーク数によるスコアリングの信憑性

やばいやばい騒動の一連の記事の中でちょっと目に留まった記事です.記事の内容自体については特にこれといった感想はないのですが,注目したのは被ブックマーク数の部分.2 つの記事は書かれてある内容がまったく同じものなのですが,被ブックマーク数も大体同じ程度で収束しています.気になってブックマークしているユーザの内訳を調べてみたのですが,どちらの記事もブックマークしているというユーザは一人も存在していませんでした.これは,なかなか興味深い結果だなと思います.

ブックマーク数によるスコアリング(記事の質の評価)に関しては,その信憑性が疑問視されていました(現在でもされている).まったく同じ記事でもその時の勢いによってガラっと被ブックマーク数が変わってしまうのではないか,など.しかし,上記の結果は“いくつかの条件を同じにすれば,被ブックマーク数と記事の質は比例するのではないか”と言う期待を抱かせてくれます.いくつかの条件とは,具体的には以下の通りです.

  • 記事を書いた著者(もしくはその記事を載せた Web サイト)の知名度
  • その記事への被リンク数

これらの影響(ノイズ)をシステム的にうまく除去して(記事の質以外の)条件を揃える事は難しいため,依然として,被ブックマーク数から記事の質のみを比較する(もしくは比較するためのスコアを導出する)事は難しい状況です.また,被ブックマーク数の情報のみでは,その記事が肯定的に評価されているのか否定的に評価されているのかの判断もできません.ですが,上記の結果は“被ブックマーク数なんてまったく当てにならない”から“意外とうまく(記事の質を)評価できているのではないか”と思わせてくれる好例ではないかな,と感じました.