ニコ生に見るコンテンツの面白さとクレームの関係

テレビでできぬ「超過激トーク」 お笑いも今やネット生放送時代 : J-CASTニュース より.個人的には,ニコニコ動画生放送の話は,この前の Twitter での騒動と同様に 「実際に参加していた人達」と「それ以外の人達」の間の温度差 を観察するための良いサンプルとして見ていました*1.ただ,今回はそれとは別の話題.

ネット上では、この過激トークへの評価は、比較的高い。2ちゃんねるでは、「浜田神すぎ」「絶対DXじゃできない話ばっかだったな」と出演者らをほめる声のほかに、「まじでテレビ業界がひっくり返るな」「生放送&CM無しの効果を見たわ」との声が上がっている。ネット企画に、ひな壇タレントとやゆされるテレビのバラエティ番組を超える可能性を見ているようだ。

テレビでできぬ「超過激トーク」 お笑いも今やネット生放送時代 : J-CASTニュース

この記事を読んだときに最初に抱いた感想は「何故,テレビではできないのだろう?」と言うものでした.

考えてみれば20年以上前のバラエティ番組もあんな感じだったと思う。/ 何だろう、テレビが「冒険」しなくなったのか、それともネットのユーザーが「古臭いバラエティ(褒め言葉的な意味で)」を好むのか。

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テレビ番組,特にバラエティ番組が面白くなくなったと感じる原因はいくつかあると思いますが,その一つに「低俗に徹しきれなくなったから」と言うものがあるのではと考えています.低俗なテレビ番組ばかりで面白くないと言う不満はしばしば耳にしますが,テレビでできぬ「超過激トーク」 お笑いも今やネット生放送時代 : J-CASTニュース で掲載されている反応を見る限り,その低俗さを求めている人々はまだまだ数多く存在しているように感じます.

しかし,テレビ番組はその視聴者の多様さ,あるいは家族など複数人で視聴すると言う傾向が強いせいもあり,様々な所から番組内容に関するクレームを受けます(タレントの所属事務所,スポンサー,なんちゃら人権団体,PTA,etc).これらのクレームを考慮して様々な規制(自主規制を含む)を制定していった結果,誰が見ても「面白いような気もするけど,思っていたほどではないなぁ」と感じられるような所謂「無難な」ものが増えているのが現在のテレビ番組(バラエティ番組)であるような気がします.

では何故,ニコニコ動画生放送では実現できたのか?恐らくは,かつて「低俗な」テレビ番組にクレームを付けてきた人々の多くに「まだバレてないから」だろうと思います.今後もし,こういった形(テレビで活躍しているタレントに過激な発言をさせる)で口コミとともに有名になっていけば,いずれニコ生もそういった圧力と言うか様々なクレーム問題にぶち当たる事になります.その時に,いかにクレームとうまく付き合うか が鍵になるような気がします.

リソース的な点(テレビの生放送と比べて,そこまで時間を気にする必要がない)などテレビよりも有利な点はいくつか存在します.しかし,ニコ生のようなネット上での放送は「テレビを超えた」とか「テレビに取って替わる」と言うような,テレビと同じ軸上で語るようなものではないだろうと言うのが現時点での感想です.今回の例で言うと,テレビでは誰が見ても「無難な」コンテンツを流し,ネット上のコンテンツでは,一部の人々が望んでいる低俗と言うか過激なコンテンツを流す,と言う住み分けができるのが理想なのかなぁと感じました.

*1:特に,私自身は Twitter に関しては比較的「実際に参加していた人達」で,ニコ生に関しては「それ以外の人達」だったので,自分が中と外でどう感じるかのサンプルとして.