話題の確実性

ちょっと前に,円周率が3の世代が〜のような話をしている所を聞いたので,少し.

円周率3の話題に関しては,どの程度まで認識されているのか不明ですが,(少なくとも騒動の元となった報道内容は)デマだったということで落ち着いています.詳細は,円周率3騒動にまとめられているのですが,少し転載.

学習指導要領の「算数・第5学年」の本文中にある、円周率に関した部分の、「3を用いて処理」の部分(確かにそう書いてある)だけにしか着目しないニュースの報道を、「それが学習指導要領の主旨である」というように受け取ってしまったことである。

・・・(中略)・・・

しかし、「3.内容の取扱い」の(4)には、「(前略)円周率としては3.14を用いるが、目的に応じて3を用いて処理できるよう配慮するものとする」というように書かれている。

つまり、小学5年生では、小数の乗除計算では小数点以下1桁までの計算しか扱わないようになったが、円周率だけは例外的に小数点以下2桁まである「3.14」を用いるのだというのが、新学習指導要領の本来の意味である。

・・・(中略)・・・

問題になるのが「目的に応じて3を用いて処理できるよう」ということである。(くどいようだが、これは新学習指導要領にも、現行の学習指導要領にも書かれている)

この「目的に応じて」ということの具体例として、文部省発行の「指導書」(新要領では「解説」と呼ばれている)には、「円周の長さや円の面積の見積りをするなど」と書かれている。

上述されているように,原則として従来どおり円周率は3.14を用いているそうです.

さて,今回言いたいことは,上記のような間違った話題が使われる場面についてです.これが,単に〜というニュースをやってたよという会話で終わるならば,それほど問題にはなりません.ただ,この話題を用いて何かを批判したり,ある種軽蔑的な意味合いを持つような会話に発展する場合には,問題が生じてきます(上記の例では,ややもすればだからゆとり世代のような批判に流れがち).そういった何かへの批判を行うような会話に対して間違った情報を用いた場合には,会話を行っている人達への評価に影響が及ぶ可能性が出てきます.また,話題自体によっては大きな騒動に発展することさえあります(さすがに,それはごく稀ですが).

ロクに情報の信憑性も確認せずに問題提起し,周囲を巻き込んで騒ぎを起こしたとして,某議員は相手方(自民党側)だけではなく一般の人達からも批判を受けているようです.しかしながら,私たちもまた,多くの場合は大して情報の信憑性も確認せずにそのまま見聞きした情報を話しています.

何かの話題を話す際には,(その話題がネガティブな意味合いを持つようになればなるほど)その話題が本当に正しいのかどうか確認するよう心掛けないとなと思いました.